2020
03/27

50代からが断然面白い!人生100歳時代と聞くと、正直気が重くなる人への処方箋【Vol.10】たっぷりある時間の過ごし方


人生100歳時代と聞いて、心躍る人はなかなかに少ないのではないでしょうか。

ここはそんなあなたのために、現在進行形のシニアライフから見えてきた、あんなことこんなことのご紹介。今回の話題は「たっぷりある時間の過ごし方」についてです。

「ブラックスワン到来!」と言うほどに凄いことになってきました。新型コロナウィルスの影響で、巣ごもり生活を余儀なくされている方も多いのではないかと思います。超老齢社会を先取りしているかのように、日常の光景から活気がどんどん失せてきていいます。これまでしていたことができなくなり、時間を持て余すようになる…何か、人生が黄昏たような心境になりますね。ここは逆手にとって、「たっぷりある時間」をいかに過ごすかについて、シニアライフの実態から建設的にシミュレーションしてみるというのはいかがでしょうか?

という事で、全く個人的な印象から、時間がたっぷりあるシニアがしている事(していそうな事)のベスト5をあげてみます。「ええっ~!」と、むなしくなりそうになっても、できたら最後までお付き合いください。

 

第1位 TV

「今時、TVにかじりついている人なんていないでしょう…」という方。スマホやタブレット、あるいはPCをついつい眺めている時間、結構ありませんか? YouTubeで面白画像を探したり、SNSを何ともなしに眺めていたりと、無目的に画面とにらめっこしているケース、多いですよね。

第2位 散歩

暖かくなったこの時期、外歩きにピッタリの季節になってきました。ご近所にこんなに素敵な場所があるのだと発見することもしばしば。散歩(ウォーキング)で物足りなくなってきた際は、ジョギングやヨガなどのエクササイズ系に発展も可能です。日頃の運動不足の解消も兼ね身体を動かすというのは、時間に余裕が出てきた時にこそできることです。

第3位 読書

定番中の定番ですね。ともかく活字を追っていると、何か知的活動をしていると思えるのです。興味を持って買ってはみたものの、「積読(つんどく)」になっている書籍の多い私は、時間が取れると、ここぞとばかりに読書に励みます。まぁ一冊読み切る前に、また別の本を仕入れてしまうので、結局は「積読」量はほとんど減らないのですが。

第4位 整理整頓

身の回りの様子がなぜか気になり、片付けなどしたくなっちゃうのも、時間のある時ならではですね。散らかり放題の部屋とか、PCの中の未読メールやぐちゃぐちゃのファイルを、ここで一気に綺麗にしようと。普段手つかずの身辺整理です。ピカピカに片付くとものすごく達成感があるのですが、途中で力尽きたりすると、さらに悲惨な状況になったりもします。勿論、再開できる時間はいくらでもあるのですけど。

第5位 料理

「いやいや、私は料理なんぞしたこともないし」という方。暇になってくると、「少し酒の肴に凝ってみるか」とか、ちょっと食にこだわったりすることはないですか? 美味しいものを探して遠出までするとか、普段はあまり意識していない「食」に時間を費やすなんてこと、意外にやったりします。

 

以上が、時間がたっぷりあるシニアのしている事(していそうな事)のベスト5となります。どうです、時間の使い方に関する、素敵なヒントになったのでは。え? やっぱりむなしくなっちゃいました? それとも呆れている?

確かに、どれもこれも、自分中心的というか、自己満足的というか、社会にポジティブなインパクトをだしているような時間の使い方ではないですね。ボランティア活動とか地域活動とか、もう少し何とかならないのかと。

「小人閑居して不善をなす」という中国の故事がありますが、暇を持て余すと凡人はろくなことをしないと。時間に余裕のあるシニアがこんな程度のことしかしていないことへの、まさに戒めのようです…などと書くと、「君は“閑”の意味を全く理解していない! この故事が言わんとしているのは“品性のない凡人は他人の目がないと悪いことをする”ということだ!」

とお叱りを受けそうです。確かに調べると、この故事には「暇を持て余す」という意味は含まれてはいないようです。

…実は、今回の話題で言いたかったことは、ここがポイントです。

平凡に耐える力を身につけるのは凄いこと

自分が正しいと思う事は伝えたい、それも相手が分かっていないと思える時には、ぜがひでも。これって、人間の性(さが)かもしれません。はたから見ると怠惰に過ごしているように見える人がいると、ついつい良かれと思って説教したくなってしまうわけですね。

ところが、冷静に振り返ると分かるのですが、そういう気持ちになる時って、かなりの確率で自分が「暇」な時です。家族や親友ならいざ知らず、関係性がそれほどでもない相手に「正しいこと」を諭したくなるのは、よほど時間のある時です。つまり時間が有り余ると、ついつい他人の所作が気になりはじめ、色々と意見したくなるものなのです。これ、行き過ぎると、とっても怖い事になりますよね。「切れる〇〇」とか「クレーマー」とか…。

「たっぷりある時間」を自分のペースで過ごせる人は、実は物事をおおらかに受けとることができる、それこそ故事になぞらえるなら「泰然自若」とした大物であるということかもしれません。平凡であるという事に、自然体で向き合えるということは、とても大事なことなのです。

どうです。ベスト5のうち、2つ3つ当てはまった人も、これで安心して時間を過ごせるようになったのでは。え? それこそ「説教くさい」と。はい、何せ時間がいくらでもあるものですから…(笑)

臼井 清
合同会社志事創業社(しごとそうぎょうしゃ)代表

1984年より情報機器メーカーで、マーケティングを中心に国内外で経験を積む。2014年、ビジネス創出やキャリア開発に向けた“学び”をプロデュースする「志事創業社」を設立。「幾つになっても進行形!」(Age100.ing)をキーワードに、様々な「チャレンジ」を応援中。最近では“アートシンキング”のプログラム開発等、活躍の巾を広げている。

 

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