こんにちは!プログラミング教室…
努力を言い訳にしない!50代でも成長するために気をつけること
努力する人は一般的によいイメージがありますよね。「努力が足りない」と怒られることはありますが、「努力しすぎている」と怒られることはありません。しかし努力することは、はたしてよいことなのでしょうか。そうした疑問に答えてくれるのが芦田宏直『努力する人間になってはいけない』(株式会社ロゼッタストーン・2013年)という本です。この本には大変興味深い内容が載っているため、とても勉強になります。そこで今回は、努力することが必ずしもよいことではないという話をしたいと思います。
努力=いいことではない
努力することは意味がないわけではありません。では努力する人間になってはならないとはどういう意味なのでしょうか。この本には以下の4つの人が紹介されています。
一つ目は、怠け者だけれども目標を達成する人
二つ目は、がんばり屋で目標を達成する人
三つ目は、がんばり屋で目標を達成できない人
四つ目は、怠け者で目標を達成できない人
(芦田宏直(2013)「努力する人間になってはいけない」株式会社ロゼッタストーン、26頁)
さて皆さんはどの人が最も会社にとって扱いづらいと思うでしょうか。この本でも述べられていますが、三つ目が最も扱いにくい人材になるわけですね。その理由は非常に頑張っているけれども結果が出ないからです。
では結果が出るように頑張ればよいのではないかと思うでしょう。しかし努力というものが武器になってしまうと、努力することしかできなくなってしまうんですね。その結果、「こんなに努力しているのになぜ認めてくれないんだ」という発言につながってしまうのです。
努力していることを言い訳にしない
私たちが仕事をする目的は努力をすることではなく、成果を出すことですよね。しかし努力したのに認めてくれないと思う気持ちは、誰しもが持っているのではないでしょうか。私自身も「こんなに頑張ったのになぜ認められないのだ」と思ったこともあります。しかしその際に大切なのは、努力の仕方が悪いのではないかと考えることです。努力してもうまくいかないのは、努力が足りないというよりも、努力の仕方が悪いということに尽きるのです。では努力の仕方が悪いと言われても一体どうすればよいのでしょうか。
努力の反対は「考える」
努力することでうまくいかない場合は、考えることが必要になってきます。
THINKの反対語は「行動しろ」ではなくて、努力しろ、ということなのです。逆に、努力する人は考えない人なのです。(同上、33頁)
努力していると考えている人は、努力する量を調整しているに過ぎず、今までと違った努力の仕方を考えるという方向に向きづらいところがあります。今までやってきた努力が、間違いであったと考えるのは難しいというのも原因の1つでしょう。もっと努力すればうまくいくかもしれないと思うのは、人間の普通の心理なのかもしれません。
しかしどんなに努力しても間違っていることをしていては、うまくいくはずもありません。そこで考えることが必要になるのです。では実際にどのように考えていけばよいでしょうか。考えるといっても冷静に見てみれば非常に簡単なことなんですね。
1.なぜうまくいかなかったのかその原因を考える
うまくいかなかった時にさらに努力するのではなく、そもそもなぜうまくいっていないのかを考える必要があるでしょう。方向性が間違っている場合もあります。仕事において自分の思い通りに進んでいくことはむしろ少数ではないでしょうか。ビジネスの世界ではプランBというのがあります。意外と2つ目に用意したものの方がうまくいったりするわけですね。そうしたプランを検討せずに最初の案で突き進んでいっても成功はありません。こうした事例は企業の大小にかかわらず共通していると思います。
2.どうすればうまく行くのか別の方法を考える
原因がハッキリしたら次の策を考えましょう。その際には最初の失敗を踏まえて検討します。最初の策の微調整でうまくいく場合もあれば、大幅にやり方を変える必要もあるでしょう。いずれにせよまず考えて、その案を実行することが必要になってきます。私のような中小企業の場合は、すぐ実行に移せるという利点がありますので、すぐにチャレンジしています。
3.方向転換の決断は速くする
さて1回目に失敗したから2回目はうまくいくというほど甘いものではありません。2回目も3回も失敗する可能性はあるわけです。そのため、次のやり方にも固執してはいけません。長期的にやればうまくいくのか、それとも転換が必要なのか、その決断が早ければ早いほどよいと思います。そうした決断を早くしていくというのも、考える際には必要なことでしょう。
行動するだけではダメ
考えることの大切さについて述べましたが、最近では行動しろという主張が非常に多いんですね。もちろん行動は大切です。しかし何も反省せずに行動だけしていたら、努力だけしているのと同じですよね。行動したら必ずその結果を踏まえて考え、次の行動に反映していかなければなりません。「考える」ことを重視すべきだと思っています。
50代でも努力に逃げずに考え続けましょう
実はこの話は著者である芦田先生が卒業生に対して述べた言葉です。しかし50代でも努力に逃げてはいけないというのは共通してますよね。「自分はこんなに一生懸命やったのだから評価されるべきだ」と思うことは自分にもあります。しかしそこで評価されないのは、努力の問題ではなく、やり方が悪いんですね。50代になっても頑張ったことだけに満足するのではなく、考えて成果を出せるようにしていきましょう。
福井俊保
大学院で研究するかたわら、中学受験の指導を始める。指導歴は約20年。
現在はプログラミング教室スモールトレインで代表として、プログラミングの指導と中学受験の指導をしている。著書に『AI時代に幸せになる子のすごいプログラミング教育』(自由国民社)がある。