2020
03/10

50代を採用するときに企業側がチェックしていることは?採用活動をしてみて思うこと


50代での転職が珍しいことではない近年。理由として考えられるのは、ミドルシニア世代の転職市場が盛り上がりつつあることや、早期退職をして新しいことをはじめたいという方が増えていることなどがあります。

一方、人手不足に悩む企業は多いもの。とくに中小企業の新卒採用は厳しい状況です。そうした中で即戦力になり得る50代の採用というのは、大変魅力的に映るでしょう。

では、そうした人材を採用する側がチェックすることには、どんなことがあるのでしょうか。具体的なポイントを紹介します。

50代は自分たちよりも年上の世代

まず認識すべきは、採用する立場にある人間よりも、候補者の方が年上である可能性が高いということ。私は現在40代ですので、採用面接に来られる方は年上です。もし年功序列の組織であれば、自分たちは指導される側になりますよね。そうした50代の方たちが自分たちと同じ職位か、もしくは部下になる可能性があるわけです。

こうした事例は最近では珍しくないかもしれませんが、それでもまだ一般的とまでは言えないでしょう。そのため、50代の方に自分の同僚や部下として働いてもらうという認識で採用していかなければならないのです。

50代の方たちを採用する際に気をつけるべきこと

先ほど述べたように、50代の皆さんを同僚もしくは部下として迎えるわけですから、採用する際には若手を採用するのと同じ基準ではいけません。かといってあまりにも期待値が高すぎるのも要注意。そこで50代の方を採用する際に気をつけるべきことについて4つ紹介します。

1.企業の看板ではなく実力で評価する

50代の方を採用する場合、それまで在籍していた企業名だけで判断してはいけません。大企業であればあるほどその企業の名前で仕事が取れていることも多いでしょう。でもできるかどうかについて、事前に判断するのは難しいこと。実際にやってみてもらって判断するしかない部分です。

また、雇う側がその人材の才能を活かしきれてないことも当然あります。実力がある50代の方でも、その会社の仕事にマッチしなければ実力を発揮できません。50代の方を採用する場合には、専門的な仕事でしっかりと活躍してもらう、活躍できる人材を雇うというのは大切でしょう。

2.謙虚な姿勢を評価する

新しい会社で働くことは本来であれば1からのスタートになります。若い人であれば入社した際に、自分よりも経験豊富な年上の社員が多いわけですから、自然と謙虚な姿勢で仕事ができるでしょう。しかし50代で転職し、そこにいる社員が年下ばかりになると、スムーズに仕事に臨めない方も中にはいるかもしれません。新しい会社で働き始めたら、どんな人でもわからないことだらけです。わからないことを質問できなかったり、失敗を次に活かせなかったりするのは、本人のためにも会社のためにもなりません。

新たな気持ちでこの会社とスタートしたいという気持ちを持っているかを確認しましょう。

3.一緒に働く現場の意見を聞いてみる

採用面接は限られた担当者間で実施されます。しかし実際に働くのは現場の社員たちです。もちろん現場の社員たちの意見のみで採否を決めてはいけません。しかし、一緒に働けるかどうかというのはとても重要なこと。今現場の人たちがどのような人と働きたいのか、またどのような人であれば円滑なコミュニケーションをとりながら働けるのかについてはしっかりと把握しておいた方がよいでしょう。

4.時間をかけて採用する

企業の状況によっては、時間をかけた採用というのはなかなか難しいかもしれません。しかし転職したのに、すぐその職場が合わないとなってしまっては、お互いが不幸ですよね。試しに一緒に働いてみて、しばらく経ってからもう一度話し合うというのがベストでしょう。

ただ、候補者が会社に所属しながら転職活動している場合は、正式採用前に一緒に働くのは難しいはずです。その場合は、お互いの理解を深めるためにも、時間をかけて選考を行っていくというのがよいでしょう。

会社が成長する戦力を採用しましょう

50代の方が働きたいと聞いたときに、とくに人手不足に悩む企業の場合は、その実績にすぐに飛びついてしまう可能性があります。しかし大切なのは会社にとって必要な人材かどうか。他の会社でいくら実績を上げていても、自分たちの会社でその成果が出せるとは限りません。はたして本当に必要な人材なのかどうか、会社名に惑わされずに、自社にマッチした人材を採用するようにしましょう。そうすればその実力と経験値が活かされ、会社も成長するはずです。

福井俊保

プログラミング教室スモールトレイン代表

大学院で研究するかたわら、中学受験の指導を始める。指導歴は約20年。

現在はプログラミング教室スモールトレインで代表として、プログラミングの指導と中学受験の指導をしている。著書に『AI時代に幸せになる子のすごいプログラミング教育』(自由国民社)がある。


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