2019
10/01

定年後の働き方を想像できますか?50・60代女性のキャリア調査まとめ


高齢化が進む日本。厚生労働省の簡易生命表によれば、2018(平成30)年の平均寿命は女性が87.32歳、男性が81.25歳で男女ともに過去最高を更新するなど、人生100年時代の到来もそう遠くはない未来でしょう。寿命が延びる分、私たちが働く期間も長くなると想像できますよね。では、私たちの働き方はどのように変わっていくのでしょう?

本記事では、公益財団法人21世紀職業財団が発表した「女性正社員50代・60代におけるキャリアと働き方に関する調査」の内容の一部をご紹介します。

参考資料:公益財団法人21世紀職業財団「女性正社員50代・60代におけるキャリアと働き方に関する調査

 

「社会とのつながり」や「自分の成長」を重視!働く価値観

働き続ける原動力になるのが、モチベーション。調査結果によると、働くうえで大切にしてきたことについては、年代に関係なく「金銭を得る」という経済的理由がトップを占めましたが、その内容は男女で大きく異なります。男性が「家族を養う」ためと挙げるのに対し、女性は「経済的に自立する」ためを重視している傾向にあるのが特徴的です。

また、仕事を通じて「自分の成長」を大切にする人は、男性が年代が上にいくほど減少する一方、女性は30代を底に40代以降に増加しています。そして定年を機に仕事内容などが変わることで、モチベーションが低下する傾向にあり、このことは課題として挙げられています。

ロールモデルが身近になく、よく分からない定年後のキャリア

50代正社員女性が定年後に望む働き方は、「現在の会社での再雇用」が最も多いものの、総合職や管理職に限定すると「分からない」との回答が目立ちます。この理由の一つとして挙げられているのが、女性が定年後のキャリアを考えるにあたり身近にロールモデルがないこと。正社員として定年を経験したロールモデルになりうる女性が少ないために、50代女性は経験や悩みを共有し、情報交換するネットワークの場を男性以上に求めているとされています。

では、すでに定年を迎えた60代女性がどのような働き方をしているかというと、多くの人が短時間勤務等の柔軟な働き方をしています。仕事内容については、男女ともに定年前とは「異なる分野」で働き、定年前と「同じ責任の重さ」と「同じ難しさ」の仕事に従事している傾向にあります。そして多くの人が定年前と同じように「評価は必要であり、処遇に反映すべき」としているようです。

50代・60代女性が豊かなキャリアを描くために

今回挙げた定年後のモチベーション低下やロールモデル不在といった課題を解消するために、本報告書では企業に対して研修や制度の見直しといった職場の環境整備、定年後を考える女性交流フォーラムの構築やキャリアコンサルタントの配置など社員へのキャリアを考える機会の提供を提案しています。

もちろん、個人としてできることもたくさん考えられるでしょう。例えば、同じような悩みを抱えている人、もしくはロールモデルになる人との交流をはじめとしたイベントや情報交換の場は社内外問わず、数多くあるので積極的に参加してみてはいかがでしょうか。家族や同僚ではない、普段接しない人たちの話を聞くことで、視野が広がったり、自分のキャリアを改めて考えたりするきっかけにもなるでしょう。そこから資格の勉強を始めたり、副業としてチャレンジしてみたりと、定年後に向けた一歩を踏み出している人もたくさんいます。定年後を意識して過ごすのとそうでないのでは、大きな差がつくものです。ぜひ参考にしてみてくださいね。


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