前回の記事「第四回:副業は脳の…
【副業/複業と税金】①副業複業は確定申告は必要?
はじめまして。税理士のよしむらともこです。
2019年5月から都内で税理士事務所を経営しています。税理士一人だから顧問先の数は限られているけれど、自由度高め、フットワーク軽く、柔軟に、お客様に寄り添ったサービスの提供を大切にしています。
副業で自ら切り拓こうとする人をサポートしたい
副業をはじめるにあたって、お金の問題は切っても切り離せないところにあります。副業で新たな一歩をせっかく踏み出したのに、税金の申告でつまずいたり、税金から副業禁止の本業の会社にバレてしまったり。
そうなってしまっては、せっかく自分の人生をもっとよくしたいと思って副業をはじめたのに、元も子もないですよね。ですので、今回の副業のお金に関する記事を通じて、新たな活躍場所をもとめて一歩踏み出す方達が少しでも不安なく副業に取り組んでいただき、自分の人生や仕事の幅を広げ、ステージを上げることにつながったら嬉しいと心から思います。
副業と所得税の確定申告
副業でも、原則は「確定申告」が必要になるのはご存知ですか?
「確定申告」って?
確定申告とは1月1日から12月31日までの儲けと税金(所得税と復興特別所得税)をご自身で計算をし、国に申告をすることです。「確定申告」は、サラリーマンの方はあまりなじみがない方が多いのではないでしょうか。
でも実は、サラリーマンでも確定申告をちゃんとしていらっしゃるんです。毎年12月ころ会社が行ってくれる『年末調整』。これがサラリーマンの方の場合の確定申告にあたります。
サラリーマンの給与については、「年末調整=確定申告」で済んでいますが、副業については年末調整を受けていません。ですので、原則は副業の場合も確定申告が必要となるのです。
税金の申告が不要な20万円ルールってなに?
副業の確定申告でも、ある一定の要件を満たした場合は所得税の確定申告はしなくていいという基準があります。よく「20万円ルール」とか「20万円基準」なんていわれていますね。
かつ
②副業/複業の収入が20万円以下
ここで1つ注意点があります。②の20万円以下の判定についてですが、2つに分けて考えてくださいね。
1)収入がお給料という形の場合は、給与の額面、つまり、手取りではなくて全体の額が20万円以下で判定します。
2)それ以外の場合、つまり、副業の収入が事業所得や雑所得の場合は、20万円は所得、つまり売上から経費をひいた儲けで判定をします。
副業の場合の住民税の申告
さて、もうひとつ知っておいてほしいことがあります。よくある勘違いなのですが、これまでの「20万円ルール」の話は「所得税」限定の話です。住民税の場合は、「本業の給与以外の給料が20万円以下の場合は申告をしなくていい」という規定はありません。ですので、副業で1円でも収入がある場合は、住民税の申告は必要となります。
実務上、20万円ル―ルの適用で所得税の確定申告をしなくてよかった方が、住民税だけ申告をしているかというとそうでもないと思いますが(笑)、法律上は、そういう決まりになっているということだけはおさえておいてください。
次回は、副業の申告区分についてです。これをよく知らないまま副業の開業届を出して青色申告で!と決めるのはリスクもあるので、是非読んでいただけたら嬉しいです。
吉村知子
よしむらともこ税理士事務所代表
都内大手税理士法人での国内上場企業やそのグループ会社、ベンチャー企業、中小オーナー企業に対する税務業務に10年携わったのち、2019年5月に独立。
個人起業家や小さな会社の経営者を支える税理士として、帳簿や申告書を作成するだけではなく経営者の想いを大切にし寄り添いながらも、目標に対する行動計画の実行サポート等前進するためのサービスを提供している。最近多くなった副業の税金相談やサポートにも奔走中。