2019
06/26

「働き方の未来2035」から想像する30年後の「シニアのシゴト」【前編】


少子高齢化や技術革新などにより社会が変容していく中、厚生労働省は約20年後の2035年を見据え、多様な働き方が可能な社会の仕組みづくりに向けた懇談会を開催してきました。その報告書である「働き方の未来 2035」から、予想される社会と働き方の変化についてご紹介します。

キャリア50-60

AIが苦手で人間が得意とする仕事

昨今注目を浴びている技術の一つにAI(人工知能)技術があります。よく「AIがさまざまな仕事を代替するようになる」というようなことが言われますが、AIにも得意不得意があるのです。

AIが得意な仕事というのは、定型的なもの、あるいは大域的判断を必要としない作業的なものです。逆に人の中にある人間性に基づくような仕事は苦手と言われています。例えば、コンサルティングやカウンセリングなどの仕事です。

また、人間は人からサービスを提供されることに満足を覚えるという傾向があるといわれています。接客業の中でも付加価値の高い業態では、今以上に人が対応する仕事が求められるようになるでしょう。

将来的には、労働において作業的な部分や単純に体力を求められる部分をロボットやAIが代替するようになると考えられます。そうなれば仕事における身体的負担は軽減され、生涯現役で働き続けることも夢ではありません。そうなると、よりクリエイティブな仕事が多くなるのではないでしょうか。

労働環境が劇的に変わる

技術革新はAIだけにとどまりません。コンピューターの処理速度や通信速度の向上、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)、MR(複合現実)などの活用が進めば、労働における時間、場所の制約も取り払われて行くと予測されます。自宅からわざわざ遠いオフィスに行かずとも、世界中のビジネスに関わることが出来るようになるのです。

こうした社会システムの変化はどんな結果を呼ぶでしょうか? もしかすると、同じ企業に長く勤めるという現在多くの人にとってポピュラーな働き方が変わっていくかもしれません。何故なら、先述した作業的な仕事や体力が必要な仕事はAIに任せられるとすれば、一か所に人を集める「会社」という場所が不要になったり、働き方も、会社単位ではなくプロジェクト単位で人材を集めた方が効率的に仕事を進められるからです。

そうなれば、もはや正社員や非正規雇用といった概念は存在しないも同然になります。働く人はそれぞれ自分の経験や特性について自ら分析し、それが活かせる現場を探し選択していくことが出来るのです。副業は当たり前のことになり、労働時間についても自ら選んで行く時代になるのでパートタイマーという分類もなくなります。

では具体的にはどういった働き方が予想されるのか、後編では「働き方の未来2035」よりいくつか事例を抜粋して見ていきましょう。

後編はこちら

「働き方の未来2035」から想像する30年後の「シニアのシゴト」【後編】


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