2019
06/11

いまどきの副業解禁事情~大手銀行初!新生銀行の「副業観」とは?


大手企業からベンチャー企業まで多くの日本企業で副業解禁の動きが見られる中、新生銀行の副業解禁のニュースは特に目を引くものでした。

2018年4月から開始された副業制度は、同年11月にグループ全体の社員が対象に。入社1年目から、定年後雇用で60歳を超えた社員でもOKとのことで、既に40人以上が実際に副業をしています。

情報管理・情報漏洩などのセキュリティの観点から難しいとされてきた金融機関の副業・複業。新生銀行はこの壁をどのように超えたのか。そして、真っ先に副業解禁に踏み切った狙いはどこにあるのかをチェックしていきましょう。

 

新生銀行

 

新生銀行が副業解禁に踏み切るまでに、社内ではディスカッションが行われました。活発な議論の末たどり着いた結論が、

「働くということは個人が価値提供しその対価を得ることであって、その形を会社側が縛る必要はない」

「異業種の人が交わることでイノベーションの創発につながる」

というふたつです。

しかし、実際に制度を導入するにあたりいくつかの課題に直面しました。ひとつは労働者の安全配慮や労働時間の管理です。特に副業として他社に雇用される場合は、労働基準法などに基づいて厳しく管理する必要があります。
この問題を解決するため「本業と副業先での総労働時間を所定の範囲に収める」といった最低限の規則を設定。社員からの報告に基づいた人事部でのチェックと、社員の自己管理に委ねるとしています。

さらに、金融機関が副業を解禁するにあたっての最大の壁と言われてきた、情報管理に関する問題もあります。新生銀行は「副業・兼業と情報管理は別の問題」との考え。副業解禁前から既に情報管理についての規則が運用されているのだから、副業をしているかどうかに関わらず厳格に守るべし、というわけです。
ただ、副業をする社員に対して自覚を促す、という意味で「情報漏えいの禁止」「競業避止義務」「利益相反行為の禁止」といった大枠は規定しています。

気になる副業・兼業解禁により得られるメリットはというと、以下の3つを挙げています。

1.経済的な補填および労働力不足解消につながる

2.社員の本業以外の興味・スキルを活かすことにより、より多様な視点が銀行に還元され、さらなるイノベーションが生まれる

3.社員の専門知識・スキルが向上する

(参考資料:新生銀行グループ「ダイバーシティー推進施策の強化について」PDF

 

社員の副業推進というところでは、外部のコンサルティング会社と協力していこうという動きも。社員のスキルと外部のニーズを結び付け、ニーズが合えば個人事業主として受注できるような仕組みを検討中とのことです。

自由な社風を土台に、様々な課題をクリアーし複業を解禁。金融業界の副業先進企業となった新生銀行の取り組みはどう進んでいくのか、今後も注目していきたいですね。

 


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