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2019
07/02

【欧米の副業事情】アメリカの副業に対する労働環境や制度(アメリカ前編)


【欧米の副業事情】シリーズ、今回はアメリカです。ヨーロッパとアメリカの副業事情は、日本と大きく違うところはあるのでしょうか?

アメリカのオフィス街

 

副業人口

アメリカにおける2017年の副業人口は755万人。労働人口全体に占める割合は、4.9%でした(注:この数字には複数就業者数には自営業者のデータが含まれない)。複数就業者数は1980年代に増加傾向にあったものの、1994年以降の20年間は全ての年齢層で減少傾向にあります。

男女別でみると女性の方が若干多くなっています。年齢階級別では20-24歳が最も高い5.9%で、これに続くのが65歳以上の3.9%。人種・民族別の統計では、アフリカ系が5.3%、白人5%、ヒスパニック・ラテン系3.4%、そしてアジア系が3.2%となっています。

就業形態としては、主業がフルタイム雇用、副業がパートタイム雇用という組み合わせが一番多く、全体の55.7%を占めています。

副業の動機

副業の動機としては「副収入のため」と答えた人が1997年以降大きく増加している一方で、「支払いもしくは借金返済のため」と回答した人は年々減少しています。

教育レベル別に見ると、高学歴になるほど複数就業をしている人の割合が増えるという結果が出ています。副業者の主業としては、消防士、開業医、心理学者、中学教師、歯科衛生士等が上位に挙げられています。副業者の中にこうした専門職層の人が比較的多いというのはイギリスと同様で、アメリカの副業者の特徴のひとつではないでしょうか。

法令・制度

アメリカでは、副業に関する法的規定はなく、基本的に雇用契約によって決められます。但し、例外として「共同雇用」と呼ばれる複数雇用主に対しては、雇用主の義務について定めた法令上の規制があります。この規制の目的は、賃金未払いや過重労働の発生を未然に防ぐことにあります。

労働時間・健康問題

アメリカの労働基準法には、労働時間に関する上限規制がありません。週40時間を超える労働に対しては、1.5倍以上の割増賃金の支払いを規定しています。複数就業に関する労働時間通算の規定はありませんが、例外的に前述の複数雇用者による「共同雇用」において、労働時間の通算が義務付けられています。また、複数就業者に限定した健康配慮義務についても、現在は規定がありません。

アメリカでは副業も含め、就労に関わる条件は各雇用契約で決められ、健康管理についても個人に委ねられている現状が見えてきました。後編では雇用以外の副業と社会保険制度についてご紹介します。

後編はこちら

【欧米の副業事情】アメリカの就労形態と保険(アメリカ後編)