2019
01/01

代表も兼業のオイシックス目的は優秀人材の獲得~企業取り組みの最先端(2)~


経済産業省の「兼業・副業を通じた創業・新事業創出事例集」より、前回に引き続き副業・兼業に取り組む企業の事例紹介です。今回は見ていくのは、インターネットを通じて消費者へ特別農産物、無添加加工食品などの販売を手掛けているオイシックス株式会社の取り組み。同社は正社員、パート含む全従業員に副業を認めています。

キャリア50-115

副業として認められる業務範囲に制度上の制約はありません。ただし当人のスキル形成であること、競業禁止や守秘義務の前提を守ること、本業での目標達成へしっかり向かっていくことなどが望まれます。社内手続きとしては、所属部署の上司、及び人事部門に対して申請を行うことが必要です。また半年毎の人事考課面談と期中の中間面談を実施し、目標達成状況の評価を通じて本業に影響していないことの確認が行われています。

自由な働き方を尊重することで、優秀な人材を獲得
副業・兼業解禁の背景には、既に自ら事業を経営しているような人など優秀な人材を取り込みたいという意図があったそうです。また東日本大震災後には代表が復興のために一般社団法人を設立し自ら兼業を始めたことが後押しとなり、全従業員に兼業を認めることになったとのこと。

会社が副業に対して積極的な姿勢を明らかにしたことで、副業・兼業が当たり前という考え方が社内に広まりました。また申請受理の際には、上司が本人の成長を考えてアドバイスをしています。本業とのバランスのとり方や、副業先の仕事の進め方について上司が相談に乗る場合もあり、社員をサポートする体制が作られています。

従業員の成長は会社資本の拡大という考え方
従業員が副業をすることで現れる本業への効果を短期的、直接的に求めるのは兼業・副業にチャレンジしようとする従業員にとってマイナスになると同社は捉えています。副業・兼業を通して従業員がスキルアップし人間的な成長を得ることで、長期的に会社として仕事に関する資本が拡大できれば良しとしています。

社内では具体的な制約は設けず、申請時点の合意と社員との信頼関係で運用されています。社外で従業員が何らかの制約を受けることになったという事例もないそうです。

社員の成長の手段として副業・兼業を推進しているオイシックス株式会社。同社は国の政策について、副業・兼業はキャリアアップに大きなプラスになるもの、チャンスを活かしたい人や会社を制約しないような仕組みづくりを期待すると述べています。人手不足が叫ばれる時代、優秀な人材を会社同士でシェアしていくというスタイルは、1つの解決策になるのではないでしょうか。


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