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2018
12/12

製薬会社で身に着けたノウハウで地元を盛り上げる~本当にあった副業のハナシ(1)~


兼業・複業の推進に向け、経済産業省では2016年から「兼業・副業を通じた創業・新事業創出に関する研究会」を設けています。2017年3月に公表された新事業創出事例の取りまとめより、兼業・副業に実際に取り組んでいる方の事例をシリーズでご紹介していきます。

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1人目はロート製薬で働く市橋健氏。市橋氏は2004年の入社以来品質管理部門で4年、大阪工場の製造に8年間携わってきました。現在はアグリ・ファーム事業部に所属し、関連会社の食品工場の衛生管理を担当しています。

地域への愛着と経験をパワーに地ビールビジネスを開始
市橋氏には奈良県に住むようになってから、地域に貢献したいという気持ちが生まれていました。地ビールビジネスを思いついたのは、本業でスキンケアや目薬洗浄剤などの液剤製造、管理についてのノウハウを得ていたことから。2013年に県主催のビジネスコンテストに応募した所見事優勝し、起業への想いが強まったそうです。

会社へは、副業において何を実現したいのかを書いたエントリーシート提出し、人事部門の面接を経て無事承認されました。所属部署の上司と話し合いの機会も設けられ、本業と副業が共に円滑に進むよう調整が行われたそうです。結果、市橋氏の所属部署は泊りの出張が多いのですが、近隣の出張先になるよう配慮がされるようになりました。

経験値アップ+職場に多様性をもたらす兼業・副業
創業という経験は、サラリーマンを続けていては決して得られないもの。市橋氏によると、起業後は以前より全体を見る俯瞰視点を持てるようになり、本業でも社内他部署の社員について発言の意図や背景を理解しやすくなったそうです。職場に起業家がいるということは周囲にもいい刺激になっていると思う、と市橋氏は語ります。

ただ、やはり忙しさという点では采配の難しい面もあるようです。先にも述べた通り本業での出張が多いので、出張中に副業のビールに関するトラブル対応やクレーム対応が必要になると困るとのこと。また、ビール製造が副業であるということが取引先に知られた場合、片手間の仕事なのでは、中途半端なものしか作れないのでは……といった反応がくることも多いそうです。

辛口な反応の一因として、世間ではまだ副業が一般的でないことが挙げられるでしょう。この点に関して、市橋氏は兼業や副業が当たり前であるということが普及し、社会の理解が進むような政策を国に期待したいと述べています。副業社会はまだ発展途上ではありますが、上司を中心とした職場の理解があれば個人で起業して副業、兼業をしていくということは十分可能です。本業の経験や知識を生かし、異なったフィールドで起業を経験することで広い視点を持つ事ができ、本業にもプラスになったモデルケースといえるのではないでしょうか。