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2018
11/26

押さえておきたい人事制度のポイントを整理!副業解禁の実務


政府の推進する「働き方改革」をうけ、ソニーや日産など大手企業も副業を解禁しており、今後は副業を許可する企業が増加すると考えられます。雇用者は副業解禁を行う際、どのような点に注意して準備を進めればよいのでしょうか。今回は、副業解禁を導入する際に、必要となる制度の整備と注意点についてご紹介します。

就業規則の改定と申請方法
副業解禁をするにあたり、まず就業規則の改定が必要です。政府が取り組む「働き方改革」では、厚生労働省が提供する「モデル就業規則」の副業に関する規定の変更を宣言しており、これまで「原則禁止」だった副業は「原則容認」となります。現行の就業規則が従来の「モデル就業規則」をベースに作成されている場合は、副業を許可する改訂が必要となります。

次に、副業の解禁範囲や申請方法を決めます。副業の解禁範囲の設定をする際は、社内で副業をどのように認めるか十分に検討します。実際に副業を始める際に、申請や許可が必要なのか、誰の許可が必要なのか、どのような申請方法にするかなど、副業解禁にまつわる社内の方針と具体的な条件・手続きを定めます。

副業解禁に伴う注意点
副業解禁の際に企業側が気を付けるべき点はいくつかありますが、「割増賃金の問題」「雇用保険の問題」「社会保険の問題」について確認しておきましょう。

副業で1日の労働時間が長くなることにより、労働者から割増賃金を要求される可能性もあります。割増賃金は、労基法38条によれば、勤務地・事業主が異なる場合でも労働時間は通算され、8時間を超えた労働が発生した企業に、割増賃金の支払い義務が生じます。

雇用保険は「生計を維持するに必要な主たる賃金を受ける一つの事業主のもとでのみ」加入します。本業と副業・複業のどちらの所得が多いかにより雇用保険を支払う企業が異なってくるので、副業の所得も明確にする必要があります。

社会保険は適用の範囲が拡大されたことにより、副業先でも社会保険の加入対象となるケースが増えています。副業先でも社会保険に加入している場合は、年金事務所が按分法でそれぞれの会社が支払う保険料を決定します。社会保険の徴収方法が一般の社員とは異なるので給与計算の際には注意が必要です。

その他、労働者の過労にならないように労働時間をしっかりと把握するようにしたり、重要機密情報が漏洩されないような規定を定めたりすることも重要です。

優秀な人財の確保やイノベーションの創出など副業解禁の企業側のメリットが注目され、副業解禁への動きが強まりつつあります。社内の活性化が期待される副業ですが、解禁するにあたっては制度的な準備が必要となります。ポイントを押さえ、きちんと整備をしておくことで労使双方が安心して副業制度を利用し、メリットを最大限に享受できるようにしておきましょう。