2021
11/22

波平さんは54歳!…のんびりできない「一億総活躍時代」いまどき50代のキャリア


和服 老人 波平さん

国民的な漫画『サザエさん』に登場する波平さんは実はまだ54歳。現代の会社員であれば、まだまだ現役バリバリの年齢です。

それを聞いて「自分とほぼ同年代!?」とびっくりされた方も多いのではないでしょうか。

サザエさんの舞台である1950年代、会社員の定年は55歳というのが一般的でした。そのため波平さんも定年間際のシルバー世代として描かれています。現在の感覚では60代後半に見えるのも無理はありません。

定年が引き上げられた一億総活躍時代の50代は、波平さんのように落ち着いてはいられないのが実情でしょう。現代の50代会社員のキャリアについてレポートをしていきます。

高年齢者雇用安定法が改正:定年70歳時代の到来

2012年の「高年齢者雇用安定法」の改正は、定年を65歳に定めている事業主に対して、定年制の廃止または65歳までの定年延長か再雇用制度の導入を義務化するというもの。

2021年4月の改正では上記に加えて、他企業への再雇用支援・フリーランスで働くための資金提供・起業支援・NPO活動などへの資金提供という選択肢が追加されています。さらに定年が5年引き上げられ「70歳までの延長」という努力義務が課せられました。もはや60代は「老後」とは呼べない時代が訪れたといえるでしょう。

定年引き上げの背景にあるのは少子高齢化による労働人口の減少です。政府は国内の経済力を維持するために、高齢者や女性の労働市場への積極的な参加を推進しています。

加えて社会保障制度の持続可能性を拡大するという目的も無視できません。政府は、高齢者人口がピークに達すると予測される2040年に社会保障給付金が190兆円に増加すると推計しました。つまりこのままでは社会保障制度の維持が困難になる可能性があり、現代のサラリーマンの大半は老後資金獲得のために60〜70代も働き続ける必要があります。

波平さんのように定年後の悠々自適な年金生活を期待することは、もはやできなくなっているのです。

60〜70代まで働き続けるための準備をはじめよう!

現代の50代は60〜70代になっても働くことを見据えて、キャリアを考えなければなりません。その際、いまの会社で70歳まで働けると考えるのはリスキーでしょう。

高年齢者雇用安定法により定年が70歳に引き上げられたとはいえ、現段階で事業主が追うのは単なる努力目標です。不況によって早期退職の募集を行う企業も増えている現状を考えると、定年まで働けるという保証はないといえます。

それでなくとも不安定な時代のため、いまの会社が10年後20年後も安泰とは限りません。場合によっては転職することも視野に入れて、50代のうちから準備を進めておく必要があります。

まずはこれまでのキャリアで身につけてきた経験・スキル・知識・人脈の棚卸しをしたり、自身の強みを考えてみたりするところからはじめてみましょう。

前向きな気持で未来を見据えよう

以上、一億総活躍時代の50代のキャリアについて解説をしてきました。

「波平さんの時代が羨ましい」と自分の生まれた時代を恨んでも、状況は改善しません。どちらにせよ働き続けるしかないのであれば、いまの状況をできるだけポジティブに捉えて、行動するべきです。

例えば「最低限の老後資金さえ蓄えられればいい」と割り切って、今までやりたくてもできなかったことを仕事にするのも一つ。前向きな気持で、セカンドキャリアに思いを馳せてみましょう。


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