2021
09/06

50代を悩ませる「テレワーク不調」…特に辛い「腰痛」「肩こり」を解消するデスクワーク環境&お手軽アイテム


在宅ワーク リモートワーク テレワーク 腰痛

新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに多くの企業や官公庁が力を入れるようになったテレワーク(リモートワーク)。コロナの完全収束にはまだまだ遠く、在宅勤務の機会も当分続きそうです。

伴うのは、長時間のデスクワークによる肩こりや腰痛などの悩み。これらの通称「テレワーク不調」を訴える人も少なくありません。

そんなお悩みを解消するためには、自宅のPC周辺の環境をできる限り快適に整えることが大切です。さらに、ECなどで比較的リーズナブルに購入できるテレワーク対策アイテムもプラスして、肩や腰への負担を軽減させましょう。

デスクワーク環境が整っていない自宅での長時間作業が腰痛や肩こりの原因に

オフィスではPC作業に適したデスクやイスが用意されていますが、自宅ではそうはいきません。誰もが仕事部屋やワーキングデスクを用意できるわけではなく、ダイニングテーブルやリビングテーブルでやるしかないという人もいるでしょう。テーブルとイスの高さが合っていないなど無理な姿勢で長時間PCに向き合っていると、肩こりや腰痛の原因になります。

特に50代は、老化による筋力低下で五十肩や腰痛などが起きやすくなる時期。老眼も進んでPC画面が見づらくなり、目の疲れから肩こりも起こりやすくなります。さらに、女性だけでなく男性にも起こる更年期障害の影響も加わります。

このような不調を訴えやすい50代が、デスク環境が整っていない自宅で、無理な姿勢の長時間作業をすれば、肩こりや腰痛が起こるのは必然ともいえます。

実際に、厚生労働省のガイドライン にて、以下のような調査研究の報告がされています。

・頭の前傾が大きくなると首のこり(痛み)が増加

・キーボードを打つ際、手首や腕を乗せる支持台がないと肩こり(痛み)が増加

・キーボードに手を乗せる際、手首の角度が大きいと腕の疲れ(痛み)が増加

また、腰痛については、座っている時間が長いほど腰痛の頻度が高まるという調査結果があります。さらに、椎間板にかかる負荷は、立っているときを100%とすると、座っているときが140%、座って前かがみになると185%になるという研究結果が報告されています(スウェーデンの整形外科医A.ナッケムソン氏が、1966年3月発行の医学雑誌Clin Orthop Relat Res(P107-122)にて発表。腰痛の原因解明に大きく貢献した)。

正しい座り方ができていますか? デスクとイスの高さは合っていますか?

デスクが低すぎると、PC画面を見るために顔を下に傾けなくてはならず、無理な体勢に。特に、ノートパソコンの場合は、画面の文字が小さいとつい画面に顔が近付きすぎて、猫背になりがちです。

50代ともなれば老眼が進み、近視の方の中には遠近両用眼鏡を使用する方もいるでしょう。その際、PC画面はレンズ下部の近距離用レンズで見ようとして、顎が上がった姿勢になることも。実は、これも首にはかなり負担になるため、遠近両用ではなく、焦点距離30~40cmのパソコン用単焦点眼鏡を作るのがおすすめです。

前屈姿勢(猫背)にならないためには、デスクとイスの高さが重要です。以下は、日本人間工学会厚生労働省のテレワークガイドラインを参考に、理想的なデスクとイスの高さや正しい座り姿勢についてまとめたものです。

イスの高さと正しい座り方のポイント

・イスに深く腰をかける

・背筋を伸ばして背もたれに背をあてる

・足裏全体を床にぴったり着ける。ぴったり着かないときは足台を利用

・イスの前の縁と、曲げた膝裏との間には、手指が入る程度のゆとりがあり、大腿部に無理な圧力がかからないようにすること

テーブル&PCの高さとキーボードを打つ姿勢のポイント

・デスクトップPCの場合、ディスプレイの上端が目の高さと同じか、やや下になる高さに

・目とディスプレイとの距離は40cm以上に(必要に応じ、この距離で見やすいような眼鏡を使用)

・キーボードに手を置いたとき、肘の角度が90度以上になり、自然に手が届くこと。手首が極端に曲がらないこと

イスの高さ調節ができない&座面が硬すぎる場合は機能性クッションを活用

例えば食卓の木のイスなどを使っている場合、高さの調節もできませんし、お尻が痛くなってつい脚を組んだり、背もたれが硬くて背中が痛くなったり。このような無理な姿勢が、背中や腰、お尻の痛み、さらには血行が悪くなって脚のむくみを引き起こすなどの悩みを生じさせます。

そんなイスの難点をカバーできるアイテムを活用し、少しでも座り心地よく快適に過ごせるよう工夫してみましょう。通販のほか、ホームセンターやヘルスケア商品を扱うショップなど、身近なお店でも取り扱いが増えているので、実際に座り心地を試しながら選ぶのもおすすめです。

イスの低さをカバーできるほか骨盤位置を補正して長時間座っても疲れない座クッション

お尻の形にフィットし、骨盤を正しい位置に強制してくれるクッションならば、疲れにくく、腰などへの負担も軽減。体圧を分散し通気性もよい低反発素材がおすすめです。

硬すぎる背もたれには背筋が気持ちよく伸びて理想の姿勢をキープできる背クッションを

人間工学に基づき、自然なS字カーブの形状が施された背もたれクッション。低反発素材が背筋にピタッと密着して気持ちがよく、正しい姿勢をキープできるので背筋や腰への負担が少なくできます。

キーボードに手を乗せた際、手首が曲がりすぎる場合は「リストレスト」「パームレスト」で解消

 キーボードやマウスを操作する際は、手首と前腕がキーボードに対して平行になるのが理想です。しかし、キーボードに厚みがある、キーボードに傾斜があるなどで手首の角度が大きいと余計な負担がかかり、腕が疲れ、さらには肩や首のこりへとつながり、頭痛を引き起こすこともあります。

これを回避するために利用したいのが、キーボードの手前に設置して手首や手のひらを支持するクッション「リストレスト」(パームレストとも呼びます)です。

各種素材があるリストレストは自分好みの硬さのものを

手首や手のひらの形状に合わせて素材が沈み込み、しっかりホールドしてくれる低反発ウレタンや、適度な弾力があって沈み込みすぎないジェル、柔らかく沈み込むマイクロビーズなどさまざま。自分の好みで選びましょう。

キーボードやノートパソコンに合わせたサイズをセレクト

リストレストの長さが足りないと、手をずらしたとき手首が落ちてしまいます。特に、テンキー付きの長いキーボードの場合は注意し、ロングサイズのリストレストを選びましょう。厚みについては、キーボード(またはノートパソコン)の厚みよりも薄いリストレストを選ぶのが基本です。

マウス用のリストレストは手首にフィットする凹凸のあるタイプがおすすめ

マウスを使う人はぜひ使用してみると、手首が楽になります。マウスを持つ手首のみサポートしてくれるもの、マウスパットにリストレフトが付いているものなどがあります

肘から前腕全体をサポートする「肘置き」があれば、さらに快適に

 イスに肘掛けがない場合はもちろん、肘掛けがあっても高さが合わなければ意味がありません。そこで、高さを合わせるアイテムや、テーブルの縁に設置するタイプの肘置きなどを活用。腕の疲れが軽減できるだけでなく、肘を固定することで正しい座り姿勢をキープできるメリットもあります。

デスクチェア(ワーキングチェア)のひじ掛け部に取り付ける「肘置き」

ひじ掛けのあるチェアを利用している場合はこちらがおすすめです。クッション性のある「肘置き」にマジックテープが付いていて、これをイスの両方のひじ掛けに巻いて固定するだけと設置も簡単です。

ひじ掛けのないチェアの場合はデスクに固定するタイプの「肘置き」

デスクの縁に据え付けて簡単に肘置きスペースを設けるアイテムもあります。

機能抜群の介護用品の中から試してみるのもおすすめ

 最近はテレワークが進み、ECサイトやネットショップを探せば便利なアイテムが数多く見受けられます。手軽に購入できて値段も比較的リーズナブルなため、いろいろ試しながら自分にぴったりのものを探してみましょう。

また、イスに取り付ける背もたれや座クッションなどは介護用品の中にもよい商品がたくさんあります。少し値段は張りますが、介護用品だけあって商品の信頼度は高いため、探してみるのもおすすめです。


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