近年、副業解禁をする企業が増え…
副業 ここだけの話 第1回「ライターしてみたら地雷案件だった!~51歳Yさんの場合~」の巻
副業のヤバい話・オイシイ話をぶっちゃけてお届けする連載の記念すべき第1回始まりです!副業を長くしてきた筆者自身の経験や筆者が見聞きしたトンデモ事例を、包み隠さず紹介していきます。
初回はライター業における地雷案件のお話。ライター業を始めたいという50代のみなさまはぜひ参考にしてください。
副業でライター業を手軽に始められるクラウドソーシングサイトに登録
今回ご紹介するのは、副業でライターをしている会社員の51歳Yさん。ライターを始めたきっかけは副業として手軽だったからでした。
たしかに最近では副業クラウドソーシングサイトがたくさんあります。ライター業も多く登録されているため、ちょっとした得意と実益を兼ねるにはぴったりです。
Yさんはもう10年ぐらい副業でライター業をやっていますが、そのなかで登録したクラウドソーシングサイトの地雷案件というものに遭ったことがあるそうです。
そもそもライター業の地雷案件とはどんなものでしょう。それは、修正がずっと終わらないとかお金が支払われないとか、原稿を無断登用されるとか、そういったものを指します。
Yさんが遭遇した地雷案件
Yさんが打ち明けてくれたのは、仕事を納品したのにお金が支払われないケースでした。場数を踏んできた今であれば怪しい案件の判別はつくけれど、当時は疑いもなく引き受けてしまったとのことです。
地雷① 連絡が遅い
ライター業をやっていると、クラウドソーシングサイト運営者やそこの担当者からの連絡が遅いことがあります。納品しても受理の連絡がない、執筆内容の確認を依頼しても見てくれているのかわからないこともあります。
最初は連絡が遅い程度でしたが、「連絡が来なくなる前触れだったかも」と話してくれました。
地雷② 依頼元との直接取引を促される
クラウドソーシングサイトは、一般的に案件の依頼事業者側が事前にお金を払う仕組みです。そのため、制作物だけをクラウドソーシング運営者が持ち逃げすることは難しくなっています。
しかし依頼元と直接お金を取引きする場合、クラウドソーシングサイト運営者に納品物だけを持ち逃げされることがありえます。
そもそも、クラウドソーシングにおいて依頼元とのお金の直接取引はルール違反です。「仕組みを考えれば、直接取引での案件を持ちかけられた段階で怪しいと気付くべきでしたね……」とYさんは自嘲しました。
地雷③ 支払いがないのに次の記事を頼まれる
普通は記事を納品したらまず支払いが行われます。しかし支払いがないのに、次の記事を頼まれ始めたそうです。この現象はかなり怪しいです。「1回でも支払いの行われないことがあれば、疑うべきでしたね」とのこと。
地雷④ アカウント消去→逃走
悪徳クラウドソーシングサイトの主は、最終的にアカウントを消して逃亡したそうです。アカウントを消されてしまった暁には、こちらから連絡の取りようのない状況になるわけですよね。「そういった状況に陥らないように、連絡手段をしっかり確保しておくべきでした」と、肩を落とすYさんなのでありました。
ライター業をする際の注意点
さて、ここまで聞いたYさんの実話を参考に、副業でライター業をする際の注意点について考えてみましょう。それは以下の4つです。
1.法人と取引する
クラウドソーシングサイトには依頼元に個人も含まれます。もちろん個人でもしっかりしている方はいますが、リスクとしては法人より高いと言えます。
その点、直接取引をする場合でも、社員が複数いる法人であればお金を支払わずに納品物だけを持っていくリスクは低いです。もし持ち逃げをしたら信用問題になるため、まずしません。
また、まともなクラウドソーシングサイト運営者であれば、個人でもお金を支払わない仕組みを構築しますが、依頼元との直接取引になるとクラウドソーシングサイト運営者が制作物だけ持っていかれることは可能です。
ライター業を着実に長く続けていく人は、徐々にクライアントと直接取引することになるはずです。その際には必ず相手先を確認し、実績があってよほど信頼できる付き合いのある人物やそこからの紹介以外“一個人”との取引は避けるのが無難でしょう。
2.契約をしっかりと結ぶ
ライターとして案件を受けていくと、メールやチャットのやり取りで軽く案件を依頼されることがあります。もちろん、それでもきちんと払ってくれるクライアントが大多数ですが、自分の身を守るためにも契約書をしっかりと交わすべきです。
基本的にきちんとしたクライアントは、最初から「契約を結びましょう」と提案してくるのが一般的です。契約書を交わさないで仕事を始めようとする会社とは仕事をしない方がよいです。
3.支払日を明確にする
このYさんのケースはお金が支払われないという地雷案件でした。つまり初めにしっかりと支払日を明確にしておかなかった問題もあるわけです。そこで支払いがなかった場合は、毅然と請求するか、それ以上仕事をしないと徹底してください。
4.おかしいと思ったら止める勇気を持つ
Yさんは支払いがないのに次の仕事を受けてしまいました。Yさん自身も途中で「これはおかしいな」と思ったそうです。そこで止める勇気を持つというのもとても大切です。
ライターの仕事は腕と納期厳守が求められるうえ競争率が高く、なかなか取れるものではありません。だから、取った仕事を手放すには勇気がいります。
しかし、おかしいなと思ったらすぐに止めるべきです。そうすることが結果的に自分のプラスになるということを覚えておきましょう。
ライターの先輩にアドバイスを求めよう!
現在、副業でライターをしている人は増えてきています。そのため揉め事が少ないのも実際のところです。係争は避けたいですよね。
もし何か引っかかることが起きたら、ライターの先輩にアドバイスを求めるのもよいでしょう。Twitterなどで困り事を持ちかけると、みなさん優しく相談にのってくれます。
地雷案件に遭わないように副業ライターのみなさまはくれぐれも気をつけてくださいね。
福井俊保
大学院で研究するかたわら、中学受験の指導を始める。指導歴は約20年。
現在はプログラミング教室スモールトレインで代表として、プログラミングの指導と中学受験の指導をしている。著書に『AI時代に幸せになる子のすごいプログラミング教育』(自由国民社)がある。