2020
12/20

「書けばつながる」を実感!40代会社員が本業以外で複数のプロジェクトを手がけるようになるまで


「新たに何かに挑戦したいけれど、何をすればよいかわからない」
「そもそも自分の好きなことがわからない」

そう悩んでいるミドルシニア世代の方もいるのでは?今回は毎日発信を続けることで、世界を広げ、今では会社員の他に、複数のプロジェクトを展開する黒坂宗久さんに話を伺いました。

黒坂宗久さん
1974年生まれ。本業は英国調査会社の日本法人に勤務。本業の他にも、黒坂図書館プロジェクトとして、アゼルバイジャン共和国で日本語を学ぶ学生に日本語書籍を寄贈したり、「知っておきたいあの話」と題したオンラインイベントを開催したりしている。note / twitter

優秀な人に囲まれ、劣等感に苛まれていた日々

今でこそ、行動 × 発信専門家として、積極的に自分の興味を持ったことについて調べ発信したり、人に話を聞く場を作ったりしている黒坂さん。しかし、ほんの数年前までは、自分を出せなかったと言います。

「30代後半で転職し、それまでとは全くの畑違いの仕事に就いたんです。しかも周りは優秀な人ばかりで…。劣等感に苛まれ、“周りと同じようにしなきゃ、追いつかなきゃ” と必死でした。

焦る私を見た当時の上司や同僚は、『黒坂さんの色を出せばいいんだよ』と声をかけてくれたのですが、その時はそれが一体どういうことなのか、よくわかりませんでした」

「その後、40歳を前にしたとき、心身ともに疲れ切り、3ヶ月ほど休職したんです。娘が生まれたばかりなのに、給料は出ないという状況でかなり厳しい状況でした。このことをきっかけに収入源を複数持つために何かできることがないか、探し始めたんです」

発信することで、世界が一気に広がった

本業の他に収入を得ようとしても、そう簡単には見つけられませんし、続けられません。そこで、黒坂さんは収益を考えずに、まずは自分の知識や経験について、毎日ブログを書くことから始めたそうです。すると、主に2つの変化が見られたと言います。

「つながりが広がって、チャンスが一気に増えました。例えば、ブログでつながった人の紹介でアゼルバイジャンに渡航したこと。現在も続けている黒坂図書館プロジェクトのきっかけです。

他にも、森ビルの朝活イベントHills Breakfastに登壇する機会をいただけたり、日経COMEMOのキーオピニオンリーダーにも選ばれたりしました。発信していなければ、決して得られなかった機会です」

「そして、自分のことを改めて理解することができたと感じます。それまでは周りに『黒坂さんの色を出せばいいんだよ』と言われても、一体何が自分の色なのか、よくわかりませんでした。でも、こうして発信を続けることで、自分はどんな人間なのか、何をやりたいのかが整理され、よくわかってきたんです」

その後、現在の会社に転職した黒坂さん。自ら海外の本社に提案をしたり、積極的に新しい取り組みを始めたりしている。

「自分という人間がわかった今、誰かと一緒のやり方をしなきゃいけない、他の人と違ってはいけない、とは思わないようになりました。このような姿勢が結果的に周りとの関係を良くしていると実感しています」

迷ったら、あえて不安を選ぶ

年齢を重ねるにつれて、新しいことに挑戦することに戸惑ってしまたり、そもそも自分の好きなことがわからなかったりする人も多いです。

「目の前にあることがチャンスか、そうでないかなんてわかりませんよね。そんなときは、あえて不安を選ぶようにしています。とりあえず話に乗ってみるんです。現状維持ではなく、自分を違う世界に置いてみることが大切だと思います。やってみて、違うなと思ったらやめてもいいのではないでしょうか。

私と同じぐらいの40代半ば前後の方は、今の定年制で考えると、定年まであと20年あるかないかです。人生100年時代と言われるこれから、定年後の人生を豊かにするには、人間関係の広がりが鍵になると思います。今やオンラインで出会える人の数は飛躍的に多くなりました。自らどんどん積極的に発信し、つながること。発信することからすべては始まります。だってそうしなきゃ、自分がどんな人間か、知ってもらうことは難しいですから」

出し惜しみしない、GIVEの精神

発信し、つながりを広げた結果始まった黒坂図書館プロジェクトや「知っておきたいあの話」のプロジェクト。手がけるプロジェクトに共通することはあるのでしょうか。

「2つのプロジェクト、そして日々のブログでもそうですが、自分が持っている情報を周りにも共有し、みなさんの役に立ててもらうこと。出し惜しみしない、GIVEの精神を大切にしています」

GIVEの精神がまた新たなつながりを生み、好奇心を満たしてくれたり、ときには経済的なメリットとなり還ってきたりする。発信するという行動には、無限の可能性が秘められていることがわかるお話でした。

 

(取材・文)和泉ゆかり


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