2020
09/10

50代注目!『私の家政夫ナギサさん』に見る、部下や年下社員との接し方の真髄


火曜ドラマ『私の家政夫ナギサさん』(TBS系)が先日、大好評のうちに終わりました。ネット上の反応を見ると、男女問わず、小さな子どもから、このキャリア50の読者層である中高年まで、幅広い年代の人がこのドラマを視聴していたよう。皆さんの中にも、毎週視ていたという人がいるのでは?

よく知らないという人のために、内容をおさらいします(ネタバレを含む)。この物語は製薬会社の仕事一直線のMR、28歳の相原メイ(多部未華子さん)が、苦手な家事をサポートしてもらうために、50歳の家政夫の鴫野ナギサ(大森南朋さん)を雇うことから始まるハートフルラブコメディ。紆余曲折を経ながらも、最終的にこの2人は20歳以上の年齢差を越えて結ばれるといった内容です。

この結末に、「あくまでドラマだから」「大森さんという俳優がナギサさんを演じたから」など、現実的ではないという声もネット上ではちらほら見かけますが、ナギサさんからは、50代のビジネスパーソンとして、学べる姿勢がたくさんあります。今回は、その一部をピックアップして紹介していきます。

50代必見!ナギサさんに見る、年下とのコミュニケーションの真髄

「私もナギサさんのような家政夫さんにサポートしてもらいたい」という声だけでなく、「ナギサさんが上司だったらいいのに…」という声も聞こえてきた今回のドラマ。多くの人たちを惹きつけるナギサさんの魅力はどこにあるのでしょう。

年齢は関係なく、自立した人として尊重する

ナギサさんは20歳以上年下のメイを、1人の自立した人として接しています。「自分だって部下のことをそう思っている」と言いたくなる人もいるでしょう。でも、果たして本当に心からそう思っていますか?どこかで、相手のことを「まだまだ経験が浅いから、自分が教えてあげよう」「サポートしなきゃ、うまく行かないに違いない」など、相手のことをまだ若い、未熟な存在と下に見ているようなことはありませんか。相手を下に見る気持ちは、どんなに言葉で誤魔化しても、自然と滲み出て、相手に伝わるもの。

雇用主と家政夫の関係なんだから、当たり前という人もいるでしょうが、結婚後もナギサさんは、相手の状況を鑑みることなく、自分の意見を押し付けるようなことはありません。これも若い年代からナギサさんが支持される理由の一つではないでしょうか。

見守る

部下や自分より経験が浅い人を見ていると、どうしてもあれこれ口出しをしたくなってしまうもの。でも、それを一気に吐き出して押し付けたら、相手は自分がないがしろにされている感じがするかもしれませんし、潰れてしまう人も出てくるでしょう。

ここで見習いたいのがナギサさんの見守る姿勢。晴れて結婚したメイとナギサさんですが、一緒に暮らすようになった2人は徐々にお互いへの不満が蓄積していきます。ナギサさんからメイへの要望は、「靴下を裏返しにしたまま洗濯機に入れない」「ペットボトルはラベルを剥がし、すすいでから捨てる」「入浴後は換気扇を回す」といったこと。家のことがてんでダメなメイに対して、家事のプロフェッショナルであるナギサさんなら、言いたいことが山ほどあるはず。でも、メイの状況や成長に合わせながら、できることを一つずつ提案していくのがナギサさんです。相手を信じ、見守る力、見習いたいですね。

できる部分だけでなく、できない部分も見る

メイが家事ができないことを「ショック」だと語るメイの母親に対し、ナギサさんはメイの「できるところだけじゃなくて、できないところも見てください」と伝えます。そんなナギサさんの言葉に、ネット上では「名言!」「めっちゃいい言葉、泣きそうになったわ」などの声で賑わいました。

ビジネスの世界では、どうしても結果重視となってしまいがちですが、頑張っている姿をいつもきちんと見ているという安心感は、上司と部下の信頼関係には欠かせないものなのではないでしょうか。

 

ビジネスパーソンとしても考えさせられることが多かった『私の家政夫ナギサさん』。気になった人はぜひチェックしてみてくださいね!

 

和泉ゆかり

キャリアコンサルタント・ライター
キャリアコンサルタント(国家資格)/ キャリア・ディベロップメント・アドバイザー(日本キャリア開発協会)
外資系企業人事職、マーケティング職などの会社員生活の傍、ライフワークとしてキャリアカウンセリングを提供。自身の経験から、「挫折して不完全燃焼の状態にある人」が再び前向きに働けるようサポート。現在はフリーランスとして活動している。


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