人生100歳時代と聞いて、心躍…
50代からが断然面白い!人生100歳時代と聞くと、正直気が重くなる人への処方箋【Vol.14】デジタル世界で存在感を発揮する
人生100歳時代と聞いて、心躍る人はなかなかに少ないのではないでしょうか。
ここはそんなあなたのために、現在進行形のシニアライフから見えてきた、あんなことこんなことのご紹介。今回は「デジタル世界で存在感を発揮する」についてです。
ちょっと前まで、一日中ディスプレイを見ながら仕事をしている人というと、システムエンジニアとかソフトウェアの開発者ぐらいしか思い浮かばなかった自分が、今では「普通に仕事」しているだけで、終日画面とにらめっこという感じになりました。このような仕事のスタイルだと、目が疲れたり、肩がこったりと、体力・気力的に参っている人も多いのでは…などと思っているのは、昭和アナログ世代の私のようなおじさんぐらいでしょうか。
某PSが出始めた頃にゲームにはまった口なので、これでもデジタル画面には、まぁまぁ自信もあったのですが、帰省してきた息子のゲームプレイぶりをみると、もはや自分の処理能力を完全に超越しているなと。あれだけ早い動きとグルングルンと回転する携帯ゲーム機の画面でシューティングをこなしつつ、スマホでLINEのやり取りをして、挙句TVでドラマを早送りしながらチェック…。マルチタスク処理ってやつですか?? もはや、自分のアナログスタイルではデジタル世界では通用しないなと、こんな些細なところから痛感してしまうのです。
ところがですね、ちょっとした(かなり?)お間抜けな失敗から、意外にもアナログスタイルも捨てたものじゃないなと思ったのです。
テレワークでカメラ機能を使っての打合せはもはや定番。何とか私でもこなせるようになってきたのですが、先日、オンラインでミーティングをしていた時、突然自分の姿だけ画面から消えてしまうという事態に! 凝ったバーチャル背景だけはそのまま画面に映っているのに、自分だけ存在が消えてしまいました。「あれ?」と思いつつもミーティングは、つつがなく終了。(元々存在が薄かった? …いや、まさかそんなことは…) その後、慌てて不具合の解決をせねばと、検索画面に「内臓カメラが映らない」と打ち込んで、対処方法を確認。すると「OSのアップデートを…」「セキュリテイの設定を…」「ドライバを更新して…」と、素人にも分かりやすく解決方法が懇切丁寧に手順を添えて掲載されています。
そこで、これらの解決策を順番に実施してみたのですが、相変わらずカメラは動作しないまま…。「なぜ? どうして?」 翌日、サポートセンターに電話をかけて色々と教えを乞うものの、やはり解決できず。いよいよこれは本体の修理かなぁと、近くのショップに持って行こうとPCを動かしたら、小さな凸凹の手触り感が。スライドする突起がついている事に気がつきました。…はい、PC内臓カメラのシャッター、というかキャップだったのです。「こんなの、あったの‼」って感じで、これまでその存在自体に気づいていませんでした。何かの拍子に動いてしまい、「蓋(ふた)」をしたようです。そりゃぁ、カメラレンズが覆われていたら、画面に何も映りませんよね(笑)
よくある「コンセントが入っていませんでした」と同類の話だったのですが、検索した手順にも、サポートセンターの担当の方からも、「蓋が閉まっていないか確認してください」とのアドバイスが(今回の経験値としては)一つも無かったということは、これ、想定外なのかもしれません。「デジタル機器のトラブルはデジタルで解決する」という思い込みが、常識になっていそうです。画面上に現れる問題は、中のソフトウェアにあるという前提が、画面の外のわずか数ミリ先を見てみる、あるいはちょっと触って確かめるというアクションを止めてしまうのですね。デジタル世界で起きている問題も、現実の世界を直接感じ、働きかけることで解決につながる、そんなことが世の中には色々ありそうです。
ここ、アナログ世代には、慣れ親しんだ感覚ですよね。昭和の頃には、ラジオが鳴らないとか、テレビの映りが悪いとかいう時、真っ先にしたことは、機器を物理的に叩くことでした。結構、回復したものです。まさに「危機を叩く」経験を沢山しているのが50代以上の世代です。デジタルデバイド世代として、悪戦苦闘している場面も多いかも知れませんが、自分の五感にひきつけてアナログ的に考え、行動することが、案外“デジタル世界で存在感を発揮する”コツかもしれません。
え? 「今時のPCにカメラの蓋はついていないよ!」 いやいや、プライバシー保護には、セキュリティソフトよりも安価で確実性があるかも。まぁ、叩いて直るような代物ではないと思いますが…。
臼井 清
合同会社志事創業社(しごとそうぎょうしゃ)代表
1984年より情報機器メーカーで、マーケティングを中心に国内外で経験を積む。2014年、ビジネス創出やキャリア開発に向けた“学び”をプロデュースする「志事創業社」を設立。「幾つになっても進行形!」(Age100.ing)をキーワードに、様々な「チャレンジ」を応援中。最近では“アートシンキング”のプログラム開発等、活躍の巾を広げている。