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50代で遭遇する「育児」と「介護」のダブルケアとその対策
多くの人にとって大きな課題のひとつである「仕事と家庭の両立」。例えば、子育て中心の生活というと、20代〜40代をイメージする人も多いでしょうが、最近は晩婚化などの影響で50代で大変な思いをしている人も少なくないようです。年齢が上になってから出産した人だっているでしょう。そんな中で50代以降になると、加えて自分の親の健康も気になり始める人が増えてきます。
今回は、育児と介護のダブルケア問題、そして取れる対策をご紹介します。
ダブルケアとは?
育児と親の介護を同時期に行なう「ダブルケア 」。平成28年に内閣府男女共同参画局が発表した「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査」によると、ダブルケアを行なっている人の多くは男女ともに40歳前後ですが、50代以上も少なくはありません。晩婚化が進む中、平均年齢は今後高くなっていくかもしれませんね。
体力的にも精神的にも大変なダブルケア。同上の調査によると、雇用形態を変えたり、転職したりして労働時間や業務量を減らすなど、ダブルケアを行うことになった場合の就業への影響は、男性よりも女性で大きくなっています。中には周囲の理解や協力を得られず、退職してしまった人もいるでしょう。
ダブルケアを乗り越えるためにしたいこと
育児はいつ何が必要で、どのくらいお金がかかるかといっただいたいの予想をつけられる一方、介護はいつ始まるかがわからないもの。
だからこそ、大切なのはあらかじめ備えておくことです。ソニー生命保険株式会社連携調査「ダブルケアに関する調査2018」によると、ダブルケア に対する備えとしてやっておいた方が良かったこととして、「親族(両親や兄弟姉妹など)とダブルケアが起こった場合の負担・分担について話し合う」、「親が元気なうちに介護について話し合う」、「子育て・介護に関する経済的な準備をする(貯蓄・保険など)」が多く挙げられました。
特に介護については「介護の話なんて気まずくて、なかなか話題に出せない」という人もいるでしょう。しかし、サポート体制を事前に話し合っておかなければ、気がついたら特定の人にだけ時間的、そして体力的・精神的な負担がかかっていたということになるかもしれません。
それがもし、自分だったらどうでしょう。ダブルケアを理由に仕事をするのを辞めた人は少なからずいます。一旦働くことから離れ、ブランクが長くなるほど再就職は勇気が必要になるもの。家計や気持ちの面で、本当は働き続けたかったという人も少なくないはずです。
たとえダブルケアをすることになったとしても、家計に穴を開けないよう会社員としての本業の他に、在宅で自分のペースで進められる副業のスキルを今から身につけることも方法のひとつでしょう。
人生100年時代の到来といわれるこれから、特に介護については長く付き合っていく問題でもあります。在宅か施設かなどの介護内容やかかるお金、家族や親戚内での分担、公的サポートの内容など、この年末年始にぜひ一度話し合ってみてはいかがでしょうか。