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50代からが断然面白い!人生100歳時代と聞くと、正直気が重くなる人への処方箋【Vol.4】チャレンジを阻む3つの壁②家族の壁
50代からが断然面白い!人生100歳時代と聞くと、正直気が重くなる人への処方箋シリーズ4回目。
人生100歳時代と聞いて、心躍る人はなかなかに少ないのでは。ということで、ここはそんなあなたのために、進行形のシニアライフ(この言葉もちょっとそそらないけど)から見えてきた、あんなことこんなことを、ご紹介していきたい。
今回のお題は、「プレシニア、シニアのチャレンジを阻む三つ(あるいはそれ以上)の壁」の第二弾。前回の「お金の壁」に続く「家族の壁」である。
チャレンジを阻む壁②家族の壁
“一番身近な存在の家族を「壁」呼ばわりするとは何たることだ!”とお叱りになる方もいるのでは? あるいは、“家族のことで手いっぱいで、何も他のことは考えられない”という方もいるかもしれない。
そうなのだ。家族が原因で自分のこれからのチャレンジを躊躇するというのは、実は相当に尊大で、贅沢な悩みとも言えるのだ。家族がチャレンジの「壁」に思える状況は、恵まれた環境にいるという証左かもしれない。
勿論、「これまで通りの生活を家族とともに過ごせるだろうか?」といった心配は自然な話。しかしそこも良く考えてみると「経済的」な心配がほとんど。前回、「お金の壁」を飛び越えた(はずの)身としては、それほど深刻ではない気もしてくるではないか。
決断するためのハードルは
と偉そうに冒頭に言ってみたが、自分のことを振り返ると、そんな余裕は無かったのが実態。何を気に病んでいたかと言えば、「嫁さんは果たして賛成してくれるか?」ということ。20年以上連れ添ってくれた相方が、「反対!」と言い出したら、どうなっちゃうのだろうという不安である。これが、結構、決断するためのハードルとなった。
身近に人生を一緒に歩んできた人を“失う”(のではないか)ということが、急に現実的に思えてくる。「まさか“別れましょう”のきっかけになりはしないか?」なんてことまで考える…。
いやいや、自分が愛妻家であると言いたいわけではない。それが嫁さんであっても、子どもであっても、あるいは親であっても、自分の人生の一大決心は、最も身近な家族から応援して欲しい、いや、せめて認めて欲しい、というこの一点で、「もし反対されたら…」という躊躇が生まれてくるのである。
そこで色々考え始めるのだ。「果たして、何と言ったら説得できるのだろうか?」自分の中で起業することが現実味を帯びてきた時、事業計画を練る真剣さと同等以上に、嫁さんへの説得シナリオを検討しだした。
意外にあっさり
そして、その日は必ずやってくる。5月連休のある日に、「今日は大事な話があるのだけど…」と、心臓をバクバクさせながら切り出す。
ああ質問されたらこう答えよう。こうコメントされたらこんな態度で臨もう。数々の事前シミュレーションを思い出しながら続ける。
私「今年中に今いる会社を辞めて、起業しようと思う…」
妻「あらそう、いいんじゃない」
え? それだけ?
私「いや、だから今年中に辞めるんだけど…」
妻「だから起業するんでしょ。分かってるって」
ちゃんと事態を飲み込めているのかな?
私「本当にいいの?」
妻「くどいなぁ。だって、あなた前から辞めたそうにしてたじゃない」
あまりにもあっさりとのOKに驚いた。これはどうしたことか?
妻「結構真剣な顔で、なんかこそこそと準備してたしね」
家族は「本気を試す壁」
案ずるより産むがやすしとはこのことか…と、安堵しながらはたと気づいた。本気か否かを、身近な人は普段の様子で見て取っているということ。恐らく、単なる思いつきや、行動の伴わない計画とかは、いくら説明を尽くしても、きっぱりと反対されていたことだろう。覚悟ができているかどうかは、自分自身よりも身近な家族の方がよほど分かっている。
家族は「説得する壁」ではなく「本気を試す壁」なんだなと。「お金の壁」を越えた身が、「家族の壁」を越えられないのは、まだ“本気”ではないということなのだ。
「じゃぁそういうことで、今年中ということで」
まさか気が変わることはないだろうと思いつつも、一応最後に確認の意味で嫁さんに言うと、「起業してからも、生活費と教育費は一円もまからへんからね」(注:嫁さんは関西出身)
おっと〜、覚悟のほどだけでなく、経済的な念押しをここでするのかぁ。事前のシミュレーションには全くない展開。先にあっさりこちらの決断を認められているだけに、言い訳に近い“説明”の時間は一切取れそうもない。
「勿論、そこは変わりないから…」
ということで、私の場合は、とことん退路を断たれる勢いで、家族の「壁」を超えたのだった。
次回はいよいよ第三のハードル「やりたいこと探し」を越えていこう!(笑)
臼井 清
合同会社志事創業社(しごとそうぎょうしゃ)代表
1984年より情報機器メーカーで、マーケティングを中心に国内外で経験を積む。2014年、ビジネス創出やキャリア開発に向けた“学び”をプロデュースする「志事創業社」を設立。「幾つになっても進行形!」(Age100.ing)をキーワードに、様々な「チャレンジ」を応援中。最近では“アートシンキング”のプログラム開発等、活躍の巾を広げている。
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