2019
07/25

副業時代のパラレルキャリアの始め方|第三回 今なぜ副業・兼業が注目されているのか?(後編)


ナレッジワーカーズインスティテュートの塚本です。

前回は政府の考えを簡単にご紹介してみました。

前回はこちら>>

副業時代のパラレルキャリアの始め方|第二回 今なぜ副業・兼業が注目されているのか?(前編)

今回はそのことも踏まえて、今働く人々に何が課題になっているのか社会的な側面から複業についてみてみたいと思います。

通勤するビジネスマンの群れ

 

1.人生100年時代

第一回で、ドラッカーの話をしました。ナレッジワーカーは50年前に、パラレルキャリアは20年前に提唱された概念ですが、おそらく最近このことをより具体的に言い当てたのが、ロンドンビジネススクール教授のリンダ・グラットン氏の「LIFE SHIFT(ライフシフト)」です。同著の中で、人生100年時代には人は80年働く、その中でポートフォリオワーカーという所謂“複業”の働き方が出現する、と書かれています。同著は政府の「働き方改革」の施策の参考とされ、著者自身も総理官邸に招かれたりもしています。

2.AIやテクノロジーの進展

ご存知の通り、テクノロジーの進歩は目覚ましく、それは多くの失業と新しい雇用を同時に生み出します。政府の試算によれば、2030年までに最悪750万人がテクノロジーの進展で職が奪われるとしており、新しい仕事を創り上げることがますます大切になります。複業はテクノロジー進展の時代に新しい仕事に移動するための有効なセーフティーネットの手段と考えられています。

3.2020年問題と早期退職制度

「2020年問題」という言葉はご存知でしょうか?人事系の業界では、バブル経済期に入社した社員が全員50代になる年になります。多くの日本企業は年功型賃金の企業はいまだに多く、バブル入社世代が多い日本企業は特に打撃を受けるというものです。
このことも踏まえての行動か、業績が良い企業でも早期退職制度でのリストラを図るケースが増えており、特に45歳以上の社員が対象となっています。
会社を飛び出す前に、複業をおこない自身の流動性を高めておくことは、自己防衛策としても有効だと私自身も思います。

4.ボランティア活動

阪神淡路大震災と東日本大震災と大災害に見舞われた結果、一部の方達は自身のパラレルキャリアの先として非営利組織やボランティアでの活動を始めました。また、次回以降で詳しくお話しするプロボノ※も認知されつつあり、こうしたことがきっかけで週末や平日夜のボランティア活動に精を出す人も出てきています。

※プロボノ・・・自らの専門性を社会活動のために利用するボランタリーな活動。弁護士の非営利団体に対する無料相談などから始まったとされる。

*****

以上、様々な動きを見てきましたが、いずれも言えるとこは、(大)企業に終身雇用されるというモデルの崩壊を意味しており、働き方を自分で選択する時代に入ったということが言えそうです。

次回以降は、この複業をどのように始めていけばよいのか、より具体的なお話しをしていきたいと思います。

 

塚本恭之氏

塚本恭之
ナレッジワーカーズインスティテュート株式会社代表取締役/一般社団法人企業間フューチャーセンター代表理事

電子機器メーカー時代より複業でプロボノ団体の理事を務める。2014年10月に越境学習型研修事業を行うナレッジワーカーズインスティテュート株式会社を設立。
越境プロデューサー、中小企業診断士

【複業サポートサービス】
企業の生産性と個人の働きがいを同時に満たすことができる「複業戦略」のご支援をいたします。
ご興味のある方はこちら>>

塚本さんの他の記事はこちら>>


仕事を探す
会員登録