働く期間が長くなり、部下が年上…
50代の経済危機急増! 子どもの“大学自主留年”でかさむ教育費への対処とは
大学は一般的に4年間で卒業するものです。日本の大学であればとくに問題がなければ4年間で卒業できるのが一般的です。 ただ今までも海外に留学するということで大学に5年間以上行くという人がいました。
しかし海外留学以外でも自主留年という形で大学に5年以上通うケースも出てきています。 なぜ大学を自主留年する子どもたちが増えているのでしょうか。また自主留年に対して50代のみなさんはどのように対処すればよいのでしょうか。
子どもが大学を自主留年する理由
子どもが大学を自主留年する理由としては主に以下の3つです。
難関国家試験に落ちた
弁護士や医師、公認会計士など、国家試験に合格しなければ就けない職業があります。しかし一回で受からない場合も。その場合、国家試験に合格するために自主留年するケースがあります。たとえば司法浪人というのは昔から見られたケースでした。
ただ最近では、弁護士資格の場合ロースクール、医師資格の場合専門予備校へ通うことなども考えられますから、自主留年の学費以上にお金がかかるケースも想定しておく必要があるでしょう。
自分探し
大学を卒業したら次は就職となります。しかし自分は一体どのような仕事をしたらいいのかと迷っている大学生も多い時代です。そこでとりあえず就職となる大学生がほとんどですが、なかにはこのまま就職していいのだろうかと自主留年する大学生が増えているのです。
留年したからといって、自分のやりたいことが見つかるというわけではありません。しかし1年大学を休学してインターンやワーキングホリデーを利用し、自分のやりたいことを見つける活動している大学生もいます。
筆者自身もそうした大学生にあったこともありますので、1年留年したことで人生にプラスになるのであれば応援したいと親としては思うでしょう。
リモート学習で精神的に疲れている
コロナ禍で大学は一定期間リモートでの授業になりました。感染拡大の収束が見えない現状、またリモート授業に戻るやもしれません。リモートでの授業は大学に足を運ばなくてもよく満足している学生がいる一方で、大学に行けないことで勉強ができないという学生もいるのです。
リモート学習に慣れない学生のなかには、精神的に疲れてしまってとても就職活動どころではないというかたもいるのです。その場合、自主的に大学を留年するというケースもあります。この場合の相手は自然災害ですから、仕方がない部分もあるでしょう。
教育費がピンチ!老後資金の不足も
大学に通う子どもたちの現場はこのようになっていますが、親としては少なくとも1年分の費用がかかります。国立大学であれば学費は免除になることは多いです。しかし一人暮らしをしていればそのぶんの生活費を援助する必要があります。
また私立大学であれば学費を一部負担しなければならないケースもあるでしょう。そのため4年間で卒業するよりも子どもにかかる費用は増えてしまいます。そうすると50代の老後資金が不足するというケースも十分考えられます。
筆者の親戚も教育費にお金を使ったためとても老後資金は残っていないと話していました。子どもの教育のことを考えながら老後資金も貯めていくためには(それに加えて親の生活費支援や介護費を考えると……)、50代であっても今まで以上にお金を稼いでいく必要があるのです。
50代でも転職できるように準備が必要
50代で今までよりもお金を稼ぐためには、50代でもキャリアアップを図っていく必要があります。副業で稼ぐという選択肢も一つですが、最終的にはその副業も転職へと繋げていったほうが給料アップになります。
50代で転職するためには20代、30代の転職と同じような考え方ではダメです。50代の社員を雇うのは、自分たちにはない専門的知識を求めている証拠です。つまりそれぞれの専門分野においてプロになっておく必要があります。
専門分野でプロになるためには、経験だけでは不十分です。最新の知識も手に入れておく必要があります。そのため50代であっても常にアップデートできるように勉強していきましょう。現在、50代はキャリアの終着点ではなくなっているのです。
50代ならではキャリアパスを意識しよう!
50代は 引退間近の世代というわけではありません。教育費や老後資金を考えればこれからもキャリアアップして給料を上げていく必要があります。そのためにはキャリアパスを考えることが非常に重要です。
今いる会社ではなく、外に出たとしても評価されるようなキャリアパスを意識して仕事をしていくようにしましょう。最近ウェビナーやビデオ通話授業などオンラインで最新の知識も手に入れやすくなっていますので、絶えず勉強をし続けるようにしてください。
福井俊保
大学院で研究するかたわら、中学受験の指導を始める。指導歴は約20年。
現在はプログラミング教室スモールトレインで代表として、プログラミングの指導と中学受験の指導をしている。著書に『AI時代に幸せになる子のすごいプログラミング教育』(自由国民社)がある。