「人生100年」と言われていま…
ワークス研究所の調査にみる「世代で違う副業・複業への意識」【後編】
複業・副業に関する意識調査(リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査2018」)をもとに、副業サラリーマンの世代ごとの特徴をピックアップするレポート。前回は実際に副業をした理由に注目しました。続く後編では副業でした仕事の内容や、副業をしてみたいと答えた人の「理由」をみてみましょう。
本業と副業の仕事内容が同じか、同じでないかを聞いた調査では面白い結果が出ました。55~64歳では「同じ内容」が32.5%と全世代で最も高くなりましたが、65歳以上では逆に17.4%と最も低い数値に。65歳を境目に大きく変化したこの項目は「定年」と強く関りがありそうです。
定年前まではサラリーマン生活で培ったスキルを生かして、定年後は別のことにもチャレンジということでしょうか。副業の仕事内容が「主な仕事とは異なる」と答えた人の具体的な副業内容というデータがあるのですが、65歳以上では「その他」が33.6%と多世代に比べ飛びぬけて多く、バラエティに富んだ副業をしていることが伺えます。
因みに55~64歳の本業とは異なる副業で多いのは「農林漁業関連」11.2%。畑や釣り…大人の趣味が発展した、そんなイメージが湧いてきます。
「今後、複業・副業をしたい」とした4742名のサラリーマンに理由をたずねた調査の結果を見ると、実際に副業をした1519名とは違う傾向が見られます。これから「副業をしたい」と答えた人の特徴は金銭的な期待がより大きいことです。
特に大きな差があるのは65歳以上。「生計を維持するため」は経験者25.8%に対し未経験者48.8%。「貯蓄や自由に使えるお金を確保するため」にいたっては経験者34.1%に対し65.5%」と大きく乖離があります。
金銭的な収入に大きな期待や条件をつけない人が、さまざまなちょっとした「できること」を副業にしているということなのかもしれません。
サラリーマンの副業は世代によって期待すること、意義を感じる点が異なっていることが見えてくる調査でした。副業をしてどう感じたか、という直接的な質問はありませんが実際に副業をした方々の「理由」は、これから副業を考える人の参考になりそうです。