2018
12/13

現役CAが手掛ける世界初のCAアウトソーシング~本当にあった副業のハナシ(2)~


経済産業省の「兼業・副業を通じた創業・新事業創出事例集」より、前回に引き続き副業・兼業に取り組む方の事例紹介です。今回は外資系航空会社で現役客室乗務員(以降CA)として働く片山裕子氏。ベルギーのブリュッセル出身の片山氏は大学卒業後航空会社へ入社しCAとして働く中で、個人のプライベートな時間を会社が制約しないという海外の文化に触れました。そしてCAとしての外国語スキル、人種や宗教の異なる人々と日々コミュニケーションを取ってきた経験が他のことにも活かせるのではという点に思い至ったそうです。

キャリア50-108

ニーズへの気付きと、副業は当然という風土
片山氏が立ち上げたのは世界初のCAアウトソーシングサービス。登録された外資系日本人CAが世界中の企業や個人と仕事を受発注出来るというものです。実際に片山氏自身が個人的に海外での市場調査等を頼まれたり、同僚が依頼を受けたりしているのを知ったことから、窓口を一本化するというビジネスモデルを思いついたとのこと。現役CAが運営しているということで、登録者からの信頼も厚いそうです。

ニーズがあったのは勿論ですが、片山氏の背中を後押しした要因には、本業の企業風土もあります。外資系航空会社では兼業や副業は当たり前のことで、俳優業や飲食店経営などその業種もさまざまです。社内面談においては兼業・副業の有無について質問されるくらい、副業文化が浸透しています。創業の準備のために2年間の休暇、更に別途2年間の休暇が取得できるといった福利厚生も充実しているとのことです。

本業のスキルを活かし、新たな価値創造を
副業で起業することで得られる大きなポイントとしては、経営者視点があります。異なる視点から自分自身を見つめ直すことで、より主体的に動くことが出来るようになるのもメリット。

逆にデメリットして、創業時にはどの程度本腰なのかを疑われることもあったそうです。しかし、事業を進めていけば本気は伝わるとのこと。好調になってくるとスケジュール調整が難しくなったり、社内で嫉妬されたりすることも。それも気にせず続けて突き抜けてしまえば認められてくるものだそうです。

片山氏は国の政策に関して、職業ごとに特有のスキルを活かして、別のシーンで価値を創造していけるような取り組みを期待したいと述べています。現役CAの知識とブランド力を強力に活かし創業に踏み切った同氏は、正にそのモデルケースと言えるでしょう。


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