政府主導の働き方改革により副業…
企業の意識調査でわかった 「副業OK・NG」それぞれの言い分【後編】
株式会社リクルートキャリアが2018年9月に実施した「兼業・副業に対する企業の意識調査(2018)」をもとに、「副業OK・NG」それぞれの言い分を紹介しています。前編では、副業を認めている企業の占める割合、容認理由、企業が副業社員に要求することについて解説しました。
後編では、現在副業・兼業を禁止していて「将来的な副業解禁についても検討していない」と答えた企業の職種、副業を禁止している理由および背景について紹介します。
副業解禁「検討もしていない」企業の業種とは?
「将来的な兼業・副業の解禁を検討をしていない」と回答した企業について業種別に見てみると、第1位は金融・保険業・不動産業、そして建設業、製造業と続きます。金融・保険業・不動産業などの繊細な個人情報・顧客情報を扱う業種、製造業のように取引先企業との間に守秘義務契約を結んで仕事をしていたりする業種では、社員の兼業・副業に抵抗があるようです。
最も多い禁止の理由は長時間労働時間の助長防止
兼業・副業を禁止している理由は「社員の長時間労働・過重労働を助長するため」が44.8%と最も高く、次いで「労働時間の管理・把握が困難なため」が37.9%となっています。「社員の長時間労働・過重労働を助長するため」は全ての業種で最も高くなっており、従業員の健康管理が困難になることや本業に対する生産性の低下を危惧していることが伺えます。
その他「情報漏洩のリスクがあるため」や「競業となるリスクがあるため利益相反につながるため」が続いており、企業は副業を行う利点よりも弊害の方を懸念しているのかもしれません。
今回は、リクルートキャリアの調査を用いて、副業を容認していない企業の特徴をご紹介してきました。現在副業を容認していない企業の多くは、将来的な副業解禁について検討も始めていないというのが現状であり、副業禁止の最大の理由は「長時間労働に対する危惧」でした。
前編の副業を容認している企業の特徴も含め、それぞれの業界における副業に対する意識を理解し、副業を始める際に参考にしていただければと思います。