2018
12/16

ITエンジニアの米作り~本当にあった副業のハナシ(5)~


実際に副業・兼業に取り組む方の事例をシリーズでご紹介しています。今回はさくらインターネット株式会社でエバンジェリスト兼エンジニアとして働く前佛雅人氏。実家が家族経営型の専業農家であることから、就職前から農繁期には実家の手伝いをしていました。

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自分のエンジニアとしてのキャリアの実現は大事だが、そのために一番身近な家族をサポートすることが不可欠だと語る前佛氏は、東京の企業でITエンジニアとして働きつつ、農繁期は実家がある富山で農作業に従事しています。

実家のサポートと自分のキャリアの両立
富山出身の前佛氏は、2007年に東京の企業に就職してからもなんとか実家の農作業も手伝いたいと、有給休暇を工面しながら両立を続けていました。そんな中、2016年にさくらインターネットに転職。さまざまな社内制度はもちろんのこと、柔軟な働き方を受け入れてくれる社風があり、働きがいを実感できているそうです。

さくらインターネットにはSakura Business & Life Co-creationの頭文字を取った「さぶりこ」という制度があります。「さぶりこパラレルキャリア」では、副業などを通じた自己実現や成長を推奨。「さぶりこどこでもワーキング」では就業場所を自由に決定できるので、天候の影響を受けやすい農業と非常に相性がいいとのことです。「さぶりこフレックス」は就業時間を柔軟に変更可能で、これも富山と東京間を移動しなくてはならない前佛氏にとってありがたい制度だそう。

副業から本業へ、しっかりフィードバック
前佛氏がエンジニアとして目指すのは「普通の人々がコンピューターやネットワークの力で幸せになる社会」。コンピューターやネットワーク技術から価値を生み出していく者として、自分も誰かを支えながら自己実現を果たしていきたい。そのために、一番身近な存在である家族をサポートすることは欠かせないと前佛氏は語ります。

また、複数の場所で働くということはネットワークの利用者サイドに回るということ。地方在住の利用者の視点からのアイデアや気づきは、本業での企画や開発にも活かすことが出来ます。また農業という仕事は、自然と向き合う仕事。人間よりも融通の利かない相手と付き合うことは、時間の有効活用やメリハリのある働き方への意識を高めることに繋がるそうです。

前佛氏は、裁量労働について、もっと柔軟に取り入れることが出来ればより多様な働き方の促進になるのではないかと述べています。裁量労働制に関しては、正しく運用されるのか不安視する声も聞かれますが、適切な運用がなされるためにも今一度、企業と従業員の双方が制度について理解を深めることが必要でしょう。


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