2022
02/21

役職を追いやられた50代課長・部長は人生100年時代をいかに生き抜くか?


役職定年

人生100年時代において、40代50代は折り返し地点。定年も延長され、本来であれば「まだまだこれから」と思うところでしょう。

そんなときにやってくるのが「役職定年」です。

そもそも「役職定年」とは、一定の年齢に達した社員が、課長・部長などの役割から退くことを指します。定年延長を背景に、多くの企業が「人件費の抑制」と「組織の新陳代謝」を可能にするために制度を導入しました。

「独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構」の調査によると、2019年時点で役職定年制を導入している企業は全体の28.1%。また対象となる年齢は2017年時点で平均54歳です。

では40代50代の会社員にとって、役職定年にはどのような問題があるのでしょうか。今回は役職定年の問題点と乗り越え方を解説していきます。

役職定年後のモチベーション

リクルートマネジメントソリューションズが「役職定年後も仕事を継続している50〜64歳の会社員766名」を対象に実施したインターネット調査によると、「役職定年後の変化」として最も多い回答は「賃金」が下がった(82.8%)というもの。

そのほかにも「周囲からの期待の大きさ」「仕事量・勤労時間」「人事評価」について、50%以上の人が「下がった・減った」と回答しています。また「一日に会話する人の数」が減ったという回答も49.0%と高水準でした。

このような変化がある役職定年は、希望する働き方とのギャップから、その後のモチベーションを失ってしまう人が少なくありません。

同調査でも役職定年で「一度はやる気が下がった」という人が6割と過半数を占めています。

とくに多い不満のひとつが、業務内容が変わらないのに賃金が下がってしまうこと。

加えてこれまでバリバリ仕事をしてきたのに、役職を退いた途端、会社での期待・評価・居場所を失ったように感じてしまう点もモチベーションダウンの大きな要因です。

人生100年時代をいかに生き抜くか

一方で、役職定年を最初からポジティブに受け止めていたという回答も4割ほどありました。また約2割の人が一度はやる気を失ったものの「再浮上した」と答えています。

先述の調査ではこのような「好適応群」が役職定年前にどのような準備・行動をしたかのアンケートも実施しています。

結果、「普通・適応苦労群」と差が大きかった行動として上位に挙がったのは、「専門性の高い知識やスキルを身につける」「最新の知識を学び続ける」「過去の経験とは異なる新たな専門領域を身につける」など新たなスキル・知識の習得に関するもの。

このようなスキル・知識の習得は、役職定年後の仕事内容・評価に直結するだけでなく、「その気になればいつでも転職できる」という心の余裕につながっている側面もあるかもしれません。

その意味で新たなスキル・知識の習得は、役職定年後も企業に残るにしろ転職を選択するにしろ、人生100年時代をより豊かに過ごすために欠かせない準備といえるでしょう。

転職の決断は早いほどいい

40代50代にとって役職定年後も会社に残り続けるか、転職で新たなキャリアをスタートするかは悩ましい二択です。

とはいえいつまでも決断を先延ばしにするわけにはいきません。

面接の選考は基本的には若いほど有利。とくに役職定年後はブランクなどを懸念され、転職のハードルが一気に高くなります。

役職定年を迎えてから「行動しておけばよかった」と後悔しないために、今すぐにでも転職に向けて動き始めるべきでしょう。


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