2021
10/27

50代転職に備えて持っておきたい 採用率アップにつながる語学スキルTOP3徹底研究


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50代の転職は、若い世代に比べて書類選考で落とされるケースが多い傾向があると言われます。そこで、少しでも書類選考に通りやすくするために持っておきたい基本の資格として「語学スキル」に注目します。

語学スキルと言えばまず「英語」が挙げられますが、他にどんな言語のスキルを持っていると役に立つでしょうか。

また、それぞれの言語力を測る検定のスコアやランクはどの程度を持っていると採用率アップにつながるか、考察してみました。

<英語>語学力アピールの基本。「TOEIC」800点以上なら、外資系への転職でも有利に

ビジネスのグローバル化が進むなか、英語スキルの高い人材を求める企業も増えています。

国際ビジネスコミュニケーション協会が528企業に調査した『英語活用実態調査 2019』によると、「今後のビジネスパーソンにとって重要な知識やスキル」の1位が「英語」で82.6%。2位の「コミュニケーションスキル」80.7%と並び、多くの企業で重視されていることがわかりました。ちなみに3位は「問題解決力、実行力」、4位は「リーダーシップ、マネジメント能力」、5位は「論理的な思考能力」でした。

この英語力を測る世界共通基準のテストが「TOEIC」です。「採用時にTOEICスコアを活用しているか」の問いに「要件・参考としている、今後する可能性がある」と回答した企業は、新卒採用時が55.4%、中途採用時(英語を使用する部署の場合)が61.2%もありました。

以上のことから、履歴書の資格欄に「TOEIC」のスコアを明記することで、選考に通りやすくなると言えます。

では、スコアの点数は何点以上あると採用に有利に働くのでしょうか。「社員に期待するTOEICスコア」を尋ねたところ、平均値は新入社員535点、中途社員560点、営業部門575点、海外部門690点でした。

TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表」を見てみると、以下のようになります。

・レベルE/220点以下…単純な会話をゆっくり話してもらっても、部分的にしか理解できない

・レベルD/220~469点…ゆっくり、繰り返し、言い換えなどをしてもらえば簡単な会話は理解できる

・レベルC/470~729点…通常会話ならば問題ないが、複雑な場面での的確な対応や意思疎通については巧拙が出る

・レベルB/730~859点…通常会話は完全に理解でき、応答も早い。特定分野の話題にも対応できる力を持つ

・レベルA/860点以上…ビジネスでも本格的な打ち合わせができ、すぐ海外赴任ができるレベル

前述の実態調査では、「企業・団体が目標とする英語スキルの水準」で多かったのが「英語で行われる会議で議論できること」でした。この会議には、電話・テレビ・WEB会議も含まれます。

これらの要素を踏まえると、採用に有利に働くスコアは以下になります。

・平均値560点よりやや高い600点程度が最低ライン

・海外支店と日常業務のやり取りを英語で行う機会がある場合は700点台が必要

・「英語の会議で議論」ができるレベルとしてはもう少し高く、800点以上

・860点以上のAランクであれば、外資系への転職にも有利に

<中国語>需要増で「HSK」5級or「中検」3~2級なら採用率アップ、「HSK」 6級or「中検」2~準1級で即戦力に

中国は世界第2位の経済大国であり、日本の最大の貿易相手国。英シンクタンク「Center for Economics and Business Research (CEBR)」が発表した『世界経済リーグテーブル2021』では、2028年までに中国がアメリカを抜いて世界最大の経済大国になると予測されています。

このような背景から、今後、ビジネスでの中国語スキルがますます重視されるでしょう。

「世界で最も使われている言語」の1位は「英語」の約13.5億人ですが、2位の「中国語」も約11.2億人と、ほぼ肩を並べる数字になってきています。なお、3位はヒンディー語で6億人、4位はスペイン語で5.4億人と続きます(Statista『The most spoken languages worldwide 2021』より)。こちらは、母国語と第二言語として使用する人の総数になります。

中国語の検定は各種ありますが、有名なのは日本中国語検定協会が主催する「中国語検定(以下、中検)」と、中国政府公認の世界共通検定である「HSK」です。

中検は、日本語で聞かれ中国語で答える試験であり、中国語の知識のほか、日本語に訳す力も求められます。そのため、日本企業の中国語を使用する部署や中国企業の日本採用などを希望する際には、こちらが適しています。

一方のHSKは、中国語で聞かれて中国語で答える試験であり、中国企業の現地採用や日本企業の中国駐在員などを希望する場合は、こちらが適しています。世界共通の検定であるため、グローバルな仕事に取り組みたい場合はHSKがおすすめです。

中検は、準4級から始まり、4級、3級、2級、準1級とレベルアップし、最上級は1級になります。

HSKは、1級から始まり、2級、3級、4級、5級とレベルアップし、最上級は5級になります。

転職活動時、履歴書の資格欄に書くなら、以下が最低ラインになります。

・HSK4級…中国人と比較的スムーズにコミュニケーションがとれる

・中検3級…簡単な日常会話、基本的な文章の読み書きができる

採用に有利に働くランクは、以下を目安に。

・HSK5級…中国語の新聞・雑誌を読み、中国語の映画を鑑賞。中国語でスピーチできる

・中検2級…やや高度な文章を読み、日常会話がスムーズにできる

中国での勤務にも即対応できるレベルなら以下。

・HSK6級…会話・文章で、自分の考えを流暢に表現できる

・中検準1級…通常文章の中国語訳・日本語訳、簡単な逐次通訳、中国語スピーチができる

・中検1級…高度な読解力・表現力で、複雑な文章やスピーチの翻訳・通訳ができる

<フランス語>英語、中国語に続いて注目度上位。「仏検」なら最低3級、実用レベルの2級以上で有利に

前述の「世界で最も使われている言語」は母国話者と第二言語話者の総数のランキングでしたが、もうひとつ注目したいデータがあります。それが、国際機関「World Economic Forum」が2016年に公開した「『世界で最強の言語ランキング』」です。

こちらは、「旅先で通じるか」「経済への影響度」コミュニケーション能力」「インターネットや学術関係で使われる頻度」「外交で使われる頻度」といった項目で評価を数値化、総合点をランキングしたものです。これによると、1位「英語」、2位「中国語」、その後は3位「フランス語」、4位「スペイン語」、5位「アラビア語」となります。

ビジネスシーンで役立つ語学スキルという意味では、この「世界で最強の言語」ランキングが参考になるということで、3位のフランス語に注目してみました。

フランス語を公用語としているのは29カ国。英語を公用語とするのは54カ国でダントツの多さですが、フランス語はそれに続く第2位です。その後は、アラビア語22カ国、スペイン語21カ国と続きます。ちなみに中国語は中国と台湾のほか、共用公用語であるシンガポール、マカオを含め計4カ国です。

フランス語は、国連・国際オリンピック委員会・国際司法裁判所・経済協力開発機構(OECD)で英語とともに公用語とされていて、国際的な舞台では英語の次に重要視されている言語です。

フランス語の検定試験は主に以下の3種類があります。

仏検(実用フランス語技能検定試験)…フランス語教育振興協会が実施する検定で、日本語で出題。日本国内での転職活動には有利だが、海外での知名度は低い

DELF/DALF…フランス国民教育省認定の公式フランス語資格。国際標準のヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)に基づいたレベル設定で、海外で仕事をしたい場合は役立つ

DFP…パリ商工会議所が主催するビジネスフランス語検定。ビジネスに特化した能力証明となり、世界のフランス語圏で仕事をしたい場合は有利に

海外勤務を希望する場合は国際的な「DELF/DALF」「DFP」が必須ですが、フランス語を使用する機会のある国内企業への転職活動に役立てるなら、テキスト等も豊富で取り組みやすい「仏検」がおすすめです。

仏検のレベルは以下になります(時間は学習時間の目安です)。

・5級…50時間/初歩的な日常的フランス語を理解

・4級…100時間/初歩的な日常的フランス語を理解

・3級…200時間/基礎をひと通りマスター。簡単な日常表現を理解

・準2級…300時間/日常生活におけるフランス語をひと通り理解

・2級…400時間/社会生活を営む上でフランス語が使えると言えるレベル

・準1級…500時間/ビジネスなど多様な分野でフランス語を使いこなせる

・1級…600時間以上/高度なレベル。国家資格「通訳案内士」の外国語筆記試験(フランス語)を免除

履歴書に書くなら、最低でも3級以上。ですが3級は、フランス語が公用語の国を旅行中にホテルやショップなどで簡単な会話ができるレベルなので、ビジネスの世界では即戦力とはいきません。フランス語を使用する企業への転職活動なら、やはり2級以上は持っておきたいところです。

グローバルな社会に欠かせない語学スキル。検定合格へ向けて今からLet’s study!

外資系企業やグローバル企業、航空・観光・旅行業など、語学スキルが採用アップにつながる企業・業種への転職を目指すなら、基本的に英語スキルは必須。これに加えて中国語やフランス語などプラスαのスキルも持っていると、採用率アップにつながります。

とはいえ、語学のスキルは一朝一夕に身に着くものではありません。毎日コツコツ勉強を積み重ねる必要があります。

今からでも遅くはありません。資格取得に向けて、勉強を始めてみませんか?


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