2021
06/28

「50代からの転職に限界がある」は本当?ミドル・シニアの採用事例と転職成功の秘訣


超高齢化社会を迎える日本において、生涯現役でバリバリと働く意欲は大切です。

キャリアアップを目指す転職もありますが、なかには「この年齢で転職は無理」と一歩前へ踏み出せない方もいることでしょう。

そこで今回は、50代からの転職を成功させるための秘訣をご紹介します。

また記事内では50代以降を積極的に採用している会社の事例も取り上げているので、転職先選びの参考にしてみてください。

50代からの転職は難しい?

「転職できる年齢には限界がある」という説もありますが、実際どうなのでしょうか。

人材業界大手の研究機関「リクルートワークス研究所」の調査によると、50歳の時点で正社員だった男性のうち、59歳の時点で転職しているのは約4人に1人

残念ながら女性の調査結果はありませんでしたが、最近では兼業・副業から転職に繋げるケースが増え、スキルを磨いてキャリアアップを成功させる方が一定数いるようです。

また中小企業庁の調査では、従業員数が少ない小規模事業者ほど高齢者の採用に前向きで、60歳以上の社員が働きやすい環境を整備していることが分かりました。

確かに業種や会社によっては年齢に制限を設けているケースもありますが、上記の調査結果からも50代からの転職は決して不可能ではないと言えるでしょう。

50代以降を積極的に採用している会社の事例

それでは実際に、どのような会社がミドル・シニアを積極的に採用しているのでしょうか。

こちらでは、ミドル・シニアの採用に前向きな会社の事例を2つ紹介しているので、転職先を探す際の参考材料としてぜひ役立ててみてください。

事例1:パソナグループ

人材派遣業界で大手のパソナグループは、定年退職後のシニアを積極的に採用する「エルダーシャイン採用」を2020年に行いました。

経営・人事戦略の知識を活かしたい方向けの「参謀コース」や、広報やITなど特定分野に長けた方向けの「スペシャリストコース」など、計4つのコースが用意されました。

パソナグループの「エルダーシャイン制度」を含め、大企業は社会的責任のひとつとしてシニアを採用しているケースが珍しくありません。

そのため必ずしも高度なスキルが求められるわけではなく、今までの社会人経験で培った経験をアピールすれば、未経験の業種・職種でも採用の見込みは十分にあります。

事例2:株式会社アクアテック

株式会社アクアテックは、チューブポンプを開発製造するメーカーです。シニア人材を活用し成果を上げたことで、2020年に経済産業大臣から「新・ダイバシティ経営企業100選 」を受賞しました。

大きな特徴として挙げられるのは、能力や体力のあるシニアを採用するために週3~4日の「頑張りすぎない勤務」を基本理念としたこと。ノルマや業績評価をしないなど、若手中心の会社とは異なる適度な働き方で成果を上げています。

株式会社アクアテックのような優良中小企業のなかには、若さより経験豊富な50代以降を求めている会社が多いです。そのため今までのスキルを活かして同じ業種や職種で転職したい方は、大手企業だけにこだわらず、条件の良い中小企業を探すと良いかもしれません。

50代以降が転職を成功させる5つの秘訣

上記で紹介した2社のように、50代以降の方を積極的に採用したい会社は多くあります。

ただ、いくら50代以降を求めているからといって、“転職成功の秘訣”を意識せず闇雲に応募しても内定を得ることは難しいでしょう。

そこでこちらでは、転職先選びのコツや面接でのアピール方法、転職活動への向き合い方など、50代からの転職成功の秘訣を5つご紹介します。

今までの業界・職種に関連する会社を選ぶ

企業が50代以降に求めるのは、若手にはない豊富な経験と専門性。そのため今まで培ってきた経験を活かせるような、現職と似た業界・職種の会社へ応募するのがポイントです。

例えば現在レストランで働いているのであれば、同じホスピタリティ業界のホテルやウエディング、旅行などを視野に入れるのも選択肢のひとつ。仕事内容が似ていたとしても、将来性のある業界や会社へ転職できれば給与を上げられる可能性があります。

絶対に譲れない条件以外は高望みしすぎない

50代からの転職で注意すべき点として、条件を高望みしすぎてマッチングする転職先が見つからないことが挙げられます。

給与や役職、対偶、勤務地など、無数の条件を企業と交渉しようとする方もいますが、そのなかでも「本当に譲れない条件は何なのか?」と一度立ち止まって考えてみましょう。

例えば「現在の重労働な職場を辞めたい……」という方であれば、給与が多少下がったとしても、労働環境が整っている会社のほうが仕事の満足度は上がるかもしれません。

面接の場で柔軟性をアピールする

特に同じ職場で何十年も勤務していた方や、管理職など上の立場にいた方は、面接の場で柔軟性をアピールするのが良いです。

50代以降は経験やスキルの面で長けている一方、実績があるからこそ自身の考えや仕事の進め方にこだわってしまう傾向があります。

面接官は「今から新しい環境に馴染めるだろうか?」という視点からも応募者を評価しているため、転職後は新しい会社の方針に従う意思があることをアピールすることが大切です。

エージェントなどプロの力を積極的に頼る

知人のツテがある方を除き、50代からの転職を成功させるならエージェントなどプロの力を借りたほうが効率的です。

外部のプロに相談することで自分の強みを客観的に知れたり、自分だけでは見つからなかった相性の良い会社と出会えたりする可能性があります。

ただしエージェントに登録すれば簡単に転職先が見つかるわけではなく、50代からの転職にも強い斡旋会社を探すことが大切。どのような斡旋会社やサービスがあるのか、まずは比較してみるのが良いでしょう。

焦らず時間をかけてじっくりと探す

50代からの転職活動において、「成功すること」よりも強く意識したいのが「失敗しないこと」です。

今の職場環境が厳しい方ほど「どこでも良いから早く転職したい」と考えがちですが、もしも転職先が合わなかったとき、またほかの転職先がすぐに見つかるとは限りません。

転職がキャリアアップに繋がるのか、条件面に納得がいくのかなどを考えて、今までのキャリアを棒に振ることのないよう焦らず自分に合う会社を探しましょう。

50代からの転職成功に向けて情報収集と自己分析を始めよう

50代からの転職は決して難しくなく、なかには「豊富な知見と高い専門性を自社で活かしてほしい」という企業も。

ただ、転職を成功させるためには、その業界や会社が求めているのはどのような人材なのか、そして自分のどのような強みを活かせるのかを事前に研究しておくことが大切です。

今までのキャリアを活かして納得のいく転職活動を進められるよう、今回の記事を参考にまずは情報収集とから始めてみましょう。


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