2019
11/08

「副業時代」のパラレルキャリアの始めよう|第七回:プロボノについて


ナレッジワーカーズインスティテュートの塚本です。今回からは、具体的な副業の実践についてご紹介します。

前回は「「副業時代」のパラレルキャリアの始めかた|第六回:副業の準備を始めよう!」こちら>>

 

副業と一口に言っても、報酬をもらうのか否か、によって分かれます。
「え?お金をもらわないのってあるの?」とおっしゃる方もおられるでしょうが、そもそも自分のスキルが外で使えるのかわからない、自信がないという方は結構多いです。ですから敢えて、お金をもらう/もらわない、という観点ではなく、貢献できるかどうかの視点で副業を考えてみることをおススメします。

 

副業の種類として、まずはボランタリー(無償又は低額)なのか、有償なのかによって分かれます。この中で特にご紹介したいのが“プロボノ”です。

 

プロボノとは何か?

プロボノとは、ラテン語のPro bono publico(For Good Publicの意)頭文字から来ています。100年くらい前の米国がその発祥と言われています。

プロボノは、通常のボランティアとは異なり、ビジネスのプロフェッショナルが自身のビジネススキルを社会貢献のために使う、という活動です。プロのスキルやナレッジ(有償)を社会貢献のために無償で提供する、という活動になります。

もともと社会貢献を行う団体(多くはNPO等)は弱者救済などのため、法律問題に触れる機会も多くあります。ところがこうした団体は被害者の救済活動のため、なかなか弁護士を雇うお金がありません。そこで弁護士がこうした社会貢献団体には一定時間のみボランティアで法律相談に乗ることからこの活動が始まったとされています。

2000年ごろは、米国のTaploot foundationという団体が、NPO支援のためにビジネスの知識を活用する活動を始め、それが日本にも来て現在のプロボノ活動につながっています。
筆者も会社に行きながら、保有する中小企業診断士の知識を活かし、NPOや中小企業のコンサルティングを行っていました。

 

 

プロボノをどんなふうにしているか?

プロボノの対象は、通常社会貢献団体(多くがNPO)が対象になります。中小企業等の支援をするケースもあります。半年くらいの期間プロジェクトとして、その団体が成長/継続するためのサポート活動を行います。経営の相談はもちろん、マーケティングや営業手法を考え同行したり、イベントの企画やチラシを作ることもあります。

プロボノを行うには、プロボノ団体と言われる中間支援団体に登録して、団体が紹介する非営利組織などの支援プロジェクトに携わることが多いです。プロボノ団体は支援を望む非営利組織などの要望をあらかじめ聞き、プロボノしたい人材とのマッチングを行います。支援プロジェクトは通常チームで行われ、会社も年齢も異なる人5,6名でチームを組み、具体的な支援にあたります。

 

プロボノは副業への登竜門?

プロボノは、支援する側にとっては、単に無償で非営利組織などにサポートするだけでなく、自分のスキルを確認できる場になります。無償とはいえ、非営利組織にとっては本物の課題の解決を期待していますので、決して手を抜くことはできません。

また非営利組織の熱い思いやビジョンに触れ、会社以上に貢献したい意欲は高まることさえあります。
本気で取り組み中で、他人や一所にプロジェクトに関わる仲間からのフィードバックや気づきから、自分が貢献できることは何か?を見つけるきっかけになるのです。
情けは人の為ならず(人のためではなく、自分のためになる意)と申しますが、まさにその通りではないでしょうか。

今回は、副業のなかでも、特に無償で関わるプロボノについてご紹介しました。
特にスペシャルなスキルがある方にとっては、相手にも自分にも良いという素敵な活動で、まさに「福業」ともいえます。是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか?

次回は、有償での副業についてご紹介いたします。

 

塚本恭之氏

塚本恭之
ナレッジワーカーズインスティテュート株式会社代表取締役/一般社団法人企業間フューチャーセンター代表理事

電子機器メーカー時代より複業でプロボノ団体の理事を務める。2014年10月に越境学習型研修事業を行うナレッジワーカーズインスティテュート株式会社を設立。
越境プロデューサー、中小企業診断士

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