2018年7月、SOZO日本プ…
副業を認めない企業が8割」VS 「4割が”認めない企業は魅力ない”」
2009年のリーマンショックを機に、企業の副業への対応は、緩和・解禁の流れになってきました。国も「副業解禁」に向けてさまざまな施策をおこない、2018年には、厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を作るなど、「副業解禁元年」と言われました。
しかし、副業を認める会社が増えてきてはいるものの、まだまだ企業によって副業への対応に差があるのが現状です。では、企業と従業員の副業に対する意識に違いはあるのでしょうか?詳しくみていきましょう。
副業を認めている企業は約2割!従業員が多くなるほど認めない割合が増加!
全国20~59歳の民間企業で働く正社員1000人を対象に、マクロミルが行った調査によると、副業について「申請し、許可が下りれば可能=10%」「届け出さえ出せば可能=6%」と、2割弱の企業で「認められている」という結果でした。
「副業を認めている割合」は企業規模での差はほとんどない一方、「副業を認めていない割合」は従業員数によって大きな差が出ています。従業員数50人未満の企業では「副業を認めていない」割合が22.8%だったのに対し、「2,000人~5,000人未満」の企業は最多で65.4%、「5,000人以上」の企業は61%と、規模が大きい企業ほど副業に消極的である、という傾向が明らかになりました。
また従業員が「50人未満」の企業では、「副業に関する就業規則が無い」という回答が46%に上るなど、多くの企業でまだ副業が浸透していない状況が伺えます。その一方で、副業を経験したことがある正社員は全体の34%。副業を認める企業の割合16%をはるかに上回る結果になっており、働く人の副業への関心の高さが伺えます。
「副業を禁止する企業は魅力がない」と考える人が8割を超える
では企業の副業への姿勢は、「会社の魅力度」にどの程度影響を与えるのでしょうか?
同じく、マクロミルの調査によると、「副業を認めない企業」に対する魅力度合いについて、「あまり魅力がない=60%」「まったく魅力がない=23%」と、83%の正社員が副業を認めない企業には「魅力がない」と回答しています。
また、まだ副業をしていない正社員(572人)の中で、「副業したい」と回答した人の41%が「副業禁止の企業には就職・転職したくない」と回答しており、今後副業をするかどうかわからないという人でも14.6 %が、副業禁止の企業には就職・転職したくないとしています。
これらの結果から、企業の対応スピード以上に、働く人の副業に対する意識やニーズが高まっているのが伺えます。
企業は副業による長時間労働を懸念?!
副業へのニーズが高まるなか、企業はなぜ副業を認めないのでしょうか?
「情報漏洩のリスク」「本業に支障が生じる」など、さまざまな懸念事項がありますが、一番の懸念事項は「勤怠の管理が難しい」ことでしょう。本業に加えて、副業で働くことは長時間労働に繋がりやすく、万が一労働災害が発生した時の責任区分が不明瞭であるため、副業を認めにくいのが現状です。
しかし、今後、さらに政府による副業の普及や推進が進んでいくことが想定されます。副業を認めることで、「従業員の定着率が向上する」「優秀な人材の確保や従業員のスキルアップが期待できる」など企業にもメリットがあります。
制度がきちんと整備されれば、副業を認める企業も増えてくるでしょう。
さまざまな働き方ができる時代になろうとしています。シニア・ミドルのみなさんも、複業、副業を視野に入れた働き方を検討してみてはいかがでしょうか?
※上記のデータは副業に関する正社員1,000人意識調査。8割超が「副業を禁止する企業は魅力がない」(マイクロミル調べ)より引用
(参考サイト)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000457.000000624.html