「55歳の退職ストーリー」前回…
あなたの収入、どれぐらい上がっていますか? 〜昇給額と副業収入を比較!〜
厚生労働省が企業に対して行った「平成30年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況」では、賃金の上昇率は概ね2%前後となっています。この調査は、民間企業における賃金・賞与の改定額、改定率、 賃金・賞与の改定方法、改定に至るまでの経緯などを把握するために行われたもの。企業規模や業界によって違いはあるものの、単純に計算すれば基本給30万円の人が6,000円昇給している計算になります。
一方で、同省の別資料によれば、過去20年間(1996年~2015年)の現金給与総額は実質・名目ともにマイナスを示しています。政府が働き方改革の一環として副業推進をしていますが、さまざまな調査結果から見えてくる働く側の副業を始める理由は「収入を増やすため」という意見が多いようです。
これは収入が増えたと感じている方が少ないことの表れなのかもしれません。今回は副業・複業する側の本音と理想の副業の形に迫っていきたいと思います。
多くの人が副業する理由は?
WEBなどで公表されている多くの調査をみると、半数以上、中には8割~9割近くの回答者が「副業に興味を持っている」という結果が出ています。同時に副業をする目的を尋ねる質問では、多くの調査において「収入アップのため」が上位にランクインしています。
スキルアップやイノベーションの創発などを理由に副業解禁している企業がある一方、副業をしたい、している側の本音に「収入を増やしたい」という動機があるのは事実でしょう。
収入アップ+αが副業の利点
副業を行うことで総収入は増加するので、「収入をアップさせたい」という理由で副業を始めるのは自然なこと。収入アップしつつ、そのうえで「やりたいこと」「やってみたいこと」に関わりながら、いきいきと活躍できる働き方を実現できるのが複業・副業ではないでしょうか。
収入アップ+αで副業を行っている方の中には、副業で本業以外の人脈をつくり趣味の幅を広げられた、本業とは異なる業務内容や環境から新しい視点や考え方が身についた、などのメリットを最大限に活用している方がいらっしゃいます。副業で得た経験を本業に生かし、収入をアップさせつつ、いきいきと人生を送れる…そんな付加要素も見据え、副業を初めてみてはいかがでしょうか。
さて、改めてあなたの本業での給料はどれぐらい上がったかを振り返ってみてください。さまざまなネットの情報を参考にすれば、副業収入は中央値で月額2~3万円、副業にかける時間は週3時間前後といったところです。あなたの本業での昇給額よりも多くありませんか?
「やりたいこと」を優先させながら、転職の準備になったり、本業に発展する可能性もある副業。低リスクで始められるのも魅力です。収入アップとキャリアアップの一石二鳥になれば、副業として理想の働き方になるのではないでしょうか。