インテージリサーチが実施した「…
副業推進&受け入れ企業が増えている7つの理由【後編】
政府が推進している副業ですが、副業に対する企業側の考え方はどのようなものなのでしょうか。株式会社リクルートキャリアが2018年9月に実施した「兼業・副業に対する企業の意識調査」から、読み解いています。
前編では、調査結果から副業推進の動きを企業規模別に考察し、副業を推進する理由の上位2つについてご紹介しました。後編では、副業を推進する7つの理由の第3位以降について、企業の視点から見ていきたいと思います。
優秀な人材の確保が副業推進・容認の理由?
副業を推進・容認している理由および背景についての質問への回答として3位に挙がったのは「人材育成・本人のスキル向上につながるため」。続く4位には「定着率の向上、継続雇用につながるため」となっています。
副業によって得たスキルを社内で活かして欲しい、副業を容認することで成長を実感できたりスキルアップした人材を定着させたい=そうした人材を確保しておきたいという企業の想いがデータから読み取れるのではないでしょうか。
副業を容認する理由6位には、「イノベーションの創発、新事業の促進につながるため」といった回答もランクインしています。副業で得た知見を本業の会社で発揮することで、企業の発展に貢献してもらいたいという企業側の願いが見えます。
純粋に会社員の成長を望む回答も
「人手不足解消、多様な人財の活躍推進につながるため」、「社外の人脈形成につながるため」という回答がそれぞれ5、7位にランクインしています。才能ある優秀な社員を囲い込むことなくシェアしていこう、社外での人脈を広げることで社員自身に成長してもらおうといった、社員の成長を理由に副業を容認している企業もあるようです。
以上、副業推進&受け入れ企業が増えている7つの理由をご紹介してきました。
最後になりますが、一点注意しておきたいのは、副業を推進・容認し、兼業・副業の規定はあるけれども手続きは定めていない、そもそも副業に関する規定がないと回答した企業は兼業・副業推進・容認企業の実に54.1%にも達しているという点。
前編で触れましたが、副業容認の理由として「副業を禁止する理由がないから」という回答が1位だったことからも、副業を「積極的」もしくは「具体的」に導入しているとは言えない企業も多いようです。会社を選ぶ際には副業解禁に向けてしっかり取り組んでいて、更なる自己成長が望みたいところ。
就業規則で判断できるとは限らないので、確認したほうがいいかもしれません。副業に関する就業規則チェックはもちろんのこと、企業が副業を認めた背景も理解した上で、自身が成長できるような会社を選ぶといいでしょう。