2019
01/09

やっぱり気になるおカネまわり ~創業のチュートリアル③~


中小企業庁 創業・新規事業促進課発行冊子「夢をかなえる創業」より、創業に役立つ知識をご紹介する本シリーズ。前回は創業する上で欠かせない事業計画書の前編として、「事業の構想」と「具体的な事業内容」について解説しました。後編の今回は「創業時の資金計画表」と「損益計画表」について見ていきましょう。

キャリア50-141

お金の問題を見える化する

前回の「具体的な事業内容」である程度必要なお金に関して書きましたが、今回はその調達方法を整理します。

まずはタテに長い長方形を書き、さらに真ん中でタテに分けてください。左側には必要な資金の名目と金額を、右側には資金調達先のアテと金額を記入していきます。これが「創業時の資金計画表」です。

「創業時の資金計画表」の注意点としては、必ず両側の合計金額が一致するようにしてください。資金調達の際に知人や金融機関からの借り入れを考える場合は、借入先別に金額を書き、返済方法を記入するのも忘れずに。金融機関からの融資に関しては、基本的に自己資本(自分のお金と親類や知人からの借り入れ)が50%以上になる額でないと貸してもらえないことが多いです。

最後にきちんと儲かるチェック

そして「損益計画表」では、その事業でどれくらいの利益が出るのかを明確にします。

算出するのは①予想売上高(単価×個数)②売上原価(原価×個数)③売上総利益(①-②)④経費合計(人件費、家賃、減価償却費など)⑤利益(③-④)⑥減価償却費 ⑦返済可能額(⑤+⑥)⑧借入金返済額(資金計画表より算出)です。当然返済可能額が借入金返済額を上回ってしまっては、借金が返せないということになりますので注意しましょう。資金のまわり方を意識することで、事業が継続可能なのかどうかもわかってきます。

ちなみに採算が取れるかを考える指標として、先ほど出した数字と自分の収入としていくらぐらいほしいかから必要売上高を計算する方法があるのでご紹介しておきます。

まず売上総利益を予想売上高で割ることで予想粗利益率を算出します。自身の収入としてほしい額を目標利益とし、これに人件費や光熱費など必要な経費を足した額を出します。この額を予想粗利益率で割ることで、先ほど設定した目標利益を得るための必要売上高がわかるのです。

事業計画書は、漠然としたアイデアを現実とすり合わせるための大事な設計図。前編と合わせて「事業の構想」、「具体的な事業内容」、「創業時の資金計画表」、「損益計画表」の4つを最後まで完成させれば、自分の考える事業の実現性がわかってくるはずです。

次回はお金に関連した話ということで、小切手と手形の使い方についてお話します。


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