2022
11/29

私が50歳で市役所を辞めた理由|50代新米ライターの転職体験記


ちょうど50歳に到達した年に、28年間勤めた市役所を辞めました。周りにはもったいないと言われましたが、いまが辞めどきと決断したのです。私がなぜ退職しようと思ったのか、転職先に選んだライター業への準備についてお伝えします。

市役所を退職した理由

私が28年務めた市役所の退職を決意したのは、50歳になる年の3月です。直接のきっかけは義父の死。そして私が市役所に就職した年に亡くなった父への思いからでした。

正直、安定した公務員の立場を捨てることには不安もありました。地方在住なので50代からの再就職は簡単ではありません。

ただ、私には障害を持つ子どもや介護が必要な母親がいます。自分で時間や量をコントロールできる仕事をみつけよう、リスクはあっても、疲れを感じていた市役所勤めから自分自身で仕事を開拓するチャレンジをしようと決意したのです。

義父の通夜、寝ずの番で考えたこと

退職前の3月に義父が亡くなりました。若い頃は山登りが好きだったそうですが、教員になってすぐに背中を痛め、まっすぐ歩くのも不自由になってしまいました。定年まで勤め上げ、退職後はほぼ引きこもりの状態。2人いる娘はそれぞれ結婚し、誕生日には5人の孫に囲まれる日々でした。

通夜と葬儀はお寺で行い、私は一晩中横にいてろうそくの火を絶やさないようにしていました。義父に寄り添ったその夜、彼は果たして自分の生きたい人生を送ることができたのか、とずっと考えていたのです。家族に恵まれてはいたものの、職業人として満足していたのでしょうか。

60歳で亡くなった父への思い

私の父は60歳で亡くなっています。私が市役所に就職した年のことです。私は大学を卒業して地元に帰って役所に就職しました。安定した職業に親は喜んでいたようです。

しかし就職した年の秋頃、自営業をしていた父の体調が急激に悪くなり、常に伏せっている状態になってしまいました。病院嫌いの父を無理矢理説得して受診すると、白血球の数が以上に多いらしく即入院。年が明けるとすぐに亡くなりました。死因はガンです。

そういえば、父が亡くなる数年前に、伯父も父と同じガンで亡くなっていました。その当時、私も同じ60歳でガンで亡くなるのかなという予感を感じたのを覚えています。

私は以前から所属する組織に失望していました。今のまま定年を迎えるのはいやだ。父が亡くなった60歳まであと10年。本当に60歳で寿命が尽きるかどうかはわかりませんが、我慢の毎日から卒業しようと決めたのです。

義父の通夜の一晩は、気持ちを固めるのに十分な時間でした。

ライター修行開始から今の仕事

28年勤めた市役所を退職してからは、訪れてみたかった場所をゆっくり回り、在職中に取得できなかった簿記の勉強をはじめました。新しい仕事はまだイメージできていませんでしたが、自然と昔から好きだった書くことに興味がわいてきたのです。

調べてみると、ネットや書籍にライターに関する仕事術の情報があふれていました。ライターとして最初の営業はクラウドソーシングで行い、ライティング案件をもらうパターンが紹介されていたので、早速サービスに登録。登録の傍ら、オンラインでライター講座も受講し、基本的なノウハウを学びました。

クラウドサービスでは文字単価の安い仕事があふれていましたが、消耗を避けるため単価1円以上の案件に絞って応募しました。なぜかすんなり案件も獲得でき、その流れで直接契約をしていただくことも多くなっています。

今思えば、公務員としては当たり前だったスピーディーな連絡や、丁寧なコミュニケーションを評価していただけたのかもしれません。

まだまだ時給にすると落ち込むくらいの金額ですが、少しずつ単価も上がってきています。単価を上げるために3級と2級のファイナンシャルプランナーの資格を取得すると、直接メールで案件をいただけることも増えてきました。

なんとなくはじめたライターの仕事ですが、家族の面倒を見ながら仕事ができているので、今の私に合っています。これからも新しい資格に挑戦したり、未知の世界に飛び込んだりしながら単価を上げライターとしてスキルアップしていきたいと思っているところです。


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