2022
03/28

「2025年の崖」と50代が会社でできること・いま動くべきこと


2025年

「2025年の崖」という問題をご存知でしょうか。この問題を前提にDXの必要性が叫ばれています。では2025年の崖とはどのような問題なのでしょうか。またどのような対策が考えられるのでしょうか。

この記事では2025年の崖に対して行うべき対策と、対策がうまくいっていない理由、そして我々50代が寄与できることについて説明します。

2025年の崖とは

2025年前後に、ITシステムに関連するさまざまな変化が起こることが予想されていることからこう呼ばれています。2018年に経済産業省が提言したのに端を発します。

2025年の崖の問題はDXと一緒に議論されることが多いです。DXはデジタルトランスフォーメーションのこと。デジタル技術を使ってビジネスにおいて革新を起こすことを目的としています。単に業務の改善ではなく、新しいビジネスを創出するというのがDXの目的になるわけです。

では2025年の崖の問題はどのようなものなのでしょうか。ひとつは既存システムの問題です。既存システムはカスタマイズを繰り返しており、複雑化していきます。そうすると使える人材が限られてしまうわけです。いわゆるレガシーシステムの問題です。

次に人材不足の問題があります。2025年にはIT人材の不足が見込まれており、業務効率化が必須となっています。

こうした問題点を改善するためには、経営面でも大きな決断が必要です。そこで先ほど出てきたDXが必要だとなるわけです。従来のような形ではなく、デジタル技術をしっかりと使ったデジタル経営が求められています。

DXの実現に向けてレガシーシステムを刷新しつつ、DXに対応できる人材を育成していかなければならないわけです。

「2025年の崖」に対して行うべき対策

DXは2025年の崖に対して必要であることはすでに述べました。そのなかでとくに行わなければならないのは、先ほど述べたレガシーシステムの刷新でしょう。

あらためてレガシーシステムの問題を考えてみると、今までのシステムを改修しながら使ってきたため、システムが複雑化してしまっているという問題があります。

システムが複雑化すると使いこなせる人が少なくなってしまうという問題があるわけです。特定の人しか使えないシステムになると、その人がいなくなったら途端に使えなくなってしまいます。またレガシーシステムの場合、補修や運用に人材も費用もかかります。

コスト削減のためにはレガシーシステムを刷新することが急務なわけです。またレガシーシステムはセキュリティ面でも問題が多く、個人情報の漏洩等が起こったら、ブランドイメージが傷つくのは間違いありません。

今後、さらにDXを進めるためにもこのレガシーシステムを刷新していかなければ進められないとなるわけです。

対策がうまくいかない理由

こうした現場の問題を踏まえ、レガシーシステムを刷新し、DXを進めたいと考えている経営者が多いわけですが、多くの問題があります。ひとつはレガシーシステムを刷新しようと考えたとしても、一体どこから手をつけたらいいのかわからないという問題があります。

またレガシーシステムを新しくするためには改修費用が必要です。今動いているシステムなのに、費用をかけてまで改修する必要があるのかと、消極的になる経営者も多いわけです。

さらにレガシーシステムを新しくしてどのようなシステムを導入するかというのも考えなければなりません。DXを推進して今までのやり方を変えようと考えた場合、自社だけではなかなかうまくいきません。

その時に一緒にDXを推進してもらえるようなパートナー企業を見つけるのが難しいという問題もあります。

またレガシーシステムを刷新してDXを推進しようとなった場合、その対策を主導する人材が必要になります。しかしそうした人材を社内で見つけるのが難しいという現状があるわけです。

こうしたさまざまな問題があり、経営者としては2025年の崖を克服すべくレガシーシステムの刷新や、DXの導入を進めたいと考えています。しかしなかなかできないというのが現状なわけです。

50代リーダーは即刻社内でやれることからスタート

このように2025年の崖の問題は非常に大きく、DXの推進も必要になってきます。しかし取り組みとしてはなかなか難しいというのは考えられます。どの企業もいきなり大きな転換をするというのは難しいのが現状です。

そこでまずは社内でできることからスタートしていきましょう。50代の皆さんは社内でもリーダー的存在になっていると思います。自社のシステムに関するこれまでの経緯を把握しているなら、率先してまとめるなり、至急後進を育成してレクチャーするなりの活躍が期待されます。

前向きな経験を武器に速やかな転職活動をすれば、タイムリーな採用につながるかもしれません。

行政もDXを推進しています。そのためDXに関する補助金もあるわけです。そうした補助金も使いながら、ぜひ皆さんの周りからできることをスタートしていきましょう。

 

福井俊保

プログラミング教室スモールトレイン代表

大学院で研究するかたわら、中学受験の指導を始める。指導歴は約20年。

現在はプログラミング教室スモールトレインで代表として、プログラミングの指導と中学受験の指導をしている。著書に『AI時代に幸せになる子のすごいプログラミング教育』(自由国民社)がある。


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