働く期間が長くなり、部下が年上…
「ゆるブラック企業」って知っている? 50代が立ち上がるべき働き方改革の負の側面
「ゆるブラック企業」という言葉があるのはご存知でしょうか。残業代も払わずに長時間労働をさせる企業に批判が集まっているのはご存知だと思いますが、今は「ゆるブラック企業」も嫌煙される時代になっています。
ではそもそも「ゆるブラック企業」とはどのようなものなのでしょうか。この記事ではゆるくブラック企業の説明だけでなく、なぜ「ゆるブラック企業」が避けられるのか、我々50代は何をすべきかについても説明します。
「ゆるブラック企業」とは
「ゆるブラック企業」を簡単に説明すると、仕事がゆるい企業のことです。基本的に残業代はありません。そのぶん給料は高くありませんが、仕事は大変ではなく、誰でもできるような仕事が与えられます。
こうした「ゆるブラック企業」が出てきた背景には、働き方改革が挙げられます。働き方改革で残業時間を制限するために、若い社員に時間がかかる仕事を割り振らないという考えになっている企業があるわけです。
確かに慣れていない仕事となれば、時間がかかってしまいなかなか終わりません。するとどうしても労働時間が長くなってしまいます。結果、労働時間を短くするために作業効率を上げるのではなく、そもそも若い社員に時間がかかる仕事をやらせないという方法をとった企業が少なくないわけです。
「ゆるブラック企業」の場合、仕事がゆるく残業代もありません。仕事も大変ではないのに給料はもらえるわけですから、一般的なブラック企業と比べて不満を抱く要素は少ないと考えられます。それなのになぜ「ゆるブラック企業」は避けられているのでしょうか。
「ゆるブラック企業」はなぜ避けられるのか
「ゆるブラック企業」が避けられる理由はやりがいを感じられない、キャリアアップに繋がらないという理由が挙げられます。若い社員にとってはやりがいというの非常に重要です。たとえ給料が安くても、やりがいが感じられる仕事をしたいという人が多いわけです。
こうしたやる気のある社員にとっては、「ゆるブラック企業」のように誰でもできる仕事を続けることに疑問をもつのは当然でしょう。
またキャリアアップができないというのも重要な理由になります。誰でもできる仕事をずっとやり続けても、自分のキャリアアップには繋がりません。今までのように一つの会社にずっと勤めるというキャリアであれば問題はないのですが、今は転職が一般的になっています。
しかも多くの人が1回だけでなく、3回、4回と転職を繰り返しているのが現状です。このように転職を繰り返して、自分のやりたいことが実現できる職場を探しているのです。そのため、キャリアプランを考えている人たちにとって「ゆるブラック企業」はまったく身のためにならず最悪でしかありません。
自分のキャリアに結びつかないわけですから、次の転職にプラスの効果を見込めないわけです。
このようにやりがいが感じられず、キャリアアップにも繋がらない「ゆるブラック企業」は若い人たちから敬遠されてしまいます。
ハードワークは必要?
やりがいが感じられ 、キャリアアップにも繋がるような仕事というのはどうしてもハードになりがちです。いわゆるハードワークと言われるものですが、キャリアアップとやりがいのためにハードワークをしたいと考える人たちも多いです。
確かに責任ある仕事を任され、その仕事をこなすためにハードワークをするのは、やりがいも感じられキャリアアップにもつながるでしょう。ただ勘違いしてはいけないのは、ハードワークを強制的にやらせることは NG だということです。
ハードワークと称して強制的に仕事をさせるのがまさにブラック企業ですよね。それは逆です。責任ある仕事を若い社員に任せて、自らハードワークするという形でないと、やりがいは感じられないでしょう。
そういう意味では50代のみなさんで、管理職になっている方の手腕が、問われているわけです。
「ゆるブラック企業」にならないための働き方改革を実現しよう!
働き方改革というのは労働者を守るという意味でも重要な考え方です。しかし働き方改革で労働時間を削ることだけを目的にしてしまうと、「ゆるブラック企業」として優秀な人材が集まらなくなってしまいます。
ハードワークで残業時間が増えすぎるのは問題ではあります。しかし若い社員がやりがいを感じ、その社員たちのキャリアにとってもプラスになるような働き方改革を実現しなければなりません。そのためには50代のみなさんの力が必要になってくるはずですよ。
福井俊保
大学院で研究するかたわら、中学受験の指導を始める。指導歴は約20年。
現在はプログラミング教室スモールトレインで代表として、プログラミングの指導と中学受験の指導をしている。著書に『AI時代に幸せになる子のすごいプログラミング教育』(自由国民社)がある。