2021
12/10

JR品川駅の広告炎上が象徴する日本人の仕事感とは? うんざり感を払拭するにはどうしたらいい?


品川駅 港南口 デジタルサイネージ 広告

 

「仕事が苦痛」「やりがいを見いだせない」と働くことをネガティブに考えている50代会社員は多いのではないでしょうか。一方で「はやく退職したいけど生活のために頑張るしかない」と諦め、ストレスを抱えながら仕事をしているという方も少なくないはず。

先日JR品川駅で掲載された広告の炎上も、実はそんな日本人の「仕事観」が大きく関係しています。

そこで今回は件の広告炎上が象徴するものについて考察。さらに仕事に「やりがい」を得るための方法についても、くわしく解説していきます。「苦痛な仕事から解放されたい」とお考えの方はぜひ最後までご覧ください。

JR品川駅の広告炎上が象徴するもの

2021年10月4日、JR品川駅のコンコースに並ぶ数十台のデジタルサイネージ用ディスプレイにある広告が掲示されると、その様子をおさめた写真がSNS上で炎上しました。

炎上した広告の文言は「今日の仕事は、楽しみですか」というもの。SNSにアップされた写真では、うつむきながら通勤する人々の頭上で、数十台のディスプレイに表示されたこの文言がずらりと並んでいました。

これに対して「ディストピアだ」「仕事は楽しみじゃなきゃいけないのか」「つらくても仕事を頑張っている人を傷つける言葉だ」といった批判が殺到。翌日には広告主のアルファドライブが広告を取り下げ、公式サイトに謝罪文を掲載する事態にまで発展しています。

しかし実際の広告は天気予報やニュース、ほかの企業の広告などの合間に、数分に1度の間隔で流れる短いものでした。問題となった文言が表示されていたのはたったの4秒間で、写真はそのほんの一瞬を切り取ったものにすぎません。

品川駅の実際の利用者ではなく、SNSの写真だけを閲覧した直接的には関係のない人たちの勘違いによって引き起こされたのが、今回の炎上だったのです。

とはいえ「仕事は楽しみですか」という広告文言の炎上は、日本人にとって仕事がいかに苦痛であるかを象徴する印象的なエピソードといえるでしょう。

国際比較調査グループISSPが2015年に実施した調査によると、仕事にストレスを感じたことがあるかという質問に「ある」と応えた人の割合は、日本人男性が31か国中2番目に多く、女性が4番目に多いという残念な結果に。反対に仕事が面白いと思う人の割合は、男性が31か国中30位、女性が29位とともに下位でした。

このことからも日本では諸外国と比べて、仕事を苦痛に感じている人が多いとわかります。

仕事に「やりがい」を得るために

1日24時間のなかで、仕事に費やす時間は3分の1以上。睡眠時間をのぞくと、実に半分にもおよぶ厖大な時間を、働きながら過ごしていることになります。

もしも仕事にやりがいを持つことができれば、人生をより豊かに過ごすことができるに違いありません。

ではどうすれば仕事にやりがいを感じることができるのか。

実績に見合った給与、自分らしい働き方、成果が認められる、社会や他者への貢献、仲の良い仲間、好きな業界にたずさわるなど、そもそも人によって、やりがいを感じる要素はそれぞれです。

そのためまずは過去の経験や日常生活を振り返って、自分が「充足感」を得られる瞬間を明確にしてみましょう。

どのようなときに充足感を得られるかがわかると、毎日の仕事のなかで重視すべきポイントと、こだわる必要のないポイントがはっきりします。また苦痛ばかりでなく、充足感を得られる瞬間にも目が向くため、よりポジティブに仕事と向き合えるはず。

もしも現在の職場では自分が求める「やりがい」を得られないのであれば、転職により環境を変えるのも一案でしょう。その際にも重視すべきポイントが明確であれば、転職先選びに失敗するリスクを軽減できます。

環境が変われば仕事の価値観も変わる

仕事にやりがいがないと、いつの間にか「仕事は苦痛なもの」という価値観を当たり前に考えてしまうケースは少なくありません。今回のJR品川駅の広告炎上も、そのような価値観が原因となった事例といえそうです。

しかしリクルートワークス研究所の2019年の調査によると、39.9%の人が現在の仕事に満足していました。決して多いとはいえないものの、仕事にやりがいを持っている人が存在しているのも事実です。

とくに職場環境は、仕事を楽しいと感じられるか否かを決める重要な要素といえるでしょう。人生100年時代。これからの毎日をより豊かにするために、仕事を苦痛だと感じている方は、充実感を得られる職場への転職第一歩をぜひ踏み出してみてください。


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