2021
08/13

副業をするなら知っておきたい! 業務委託契約に関わる法律


業務委託契約書

老後の生活資金のために副業を考えている40代、50代の方は多いのではないでしょうか。しかし法律を理解しないまま副業をはじめてしまうと、報酬が受け取れないなどのトラブルに発展してしまう可能性もゼロではありません。

そこで本記事では、会社員の副業として人気の「業務委託」に関わる法律を紹介していきます。契約書の作成方法も解説していくためぜひ参考にしてくださいね。

業務委託とアルバイトの違い

「業務委託」は、企業(または個人)から部分的な業務を受託して報酬を得る業務形態です。業務の委託者と受託者の間に「雇用契約」が結ばれない点が、アルバイトとは大きく異なります。

「雇用契約」とは雇用主が労働者の働きにふさわしい報酬の支払いを約束する契約のこと。基本的な内容は労働基準法・労働契約法によって定められており、トラブルが発生した際に労働者を保護する目的があります。

業務委託契約に関係する法律

「業務委託契約」には、契約内容を明確に定める法律が存在しません。そのため契約を取り交わす際には、民法上の「請負契約」と「委任契約」を法的根拠として、個別に契約内容を考慮する必要があります。

請負契約

「請負契約」は「成果物」を納めることで報酬が支払われる契約形態です。業務を行う時間・場所などの制限を受けることはないものの、納期内に完成させて納品することが必須となります。また受託者には成果物に対して責任があり、欠陥・ミスがある場合には補修の義務あるいは損害賠償が生じます。

原稿執筆・デザイン・プログラミングなど、具体的な成果物が発生する業務で採用されることの多い契約形態といえるでしょう。

委任契約

「委任契約」は具体的な成果物ではなく、契約期間中の「業務の遂行」に対して報酬が支払われる契約形態です。そのため業務そのものに不正がなければ、成果物のクオリティが問われることはありません。

委任契約が採用される代表的な業務例としてはコンサルティング・事務・受付などが挙げられます。いずれも一定の契約期間が決められており、成果物に責任が発生しない業務です。

業務委託契約を締結するときは、請負契約と委任契約のうち、実際の業務内容に近いほうの契約を参照します。

ただし実際のビジネスは請負契約・委任契約だけでカバーしきれないケースも珍しくありません。両者はあくまで契約内容を決めるときの参考にする程度。それを元にケースバイケースで細かい契約内容を定め、契約書を作成していくイメージです。

業務開始前に契約書を作成しよう

業務範囲の認識のずれや報酬未払いなどのトラブルを回避するためにも、業務をスタートする前には詳細な契約内容を明記した契約書を作成しましょう。

業務委託契約書は委託者・受託者のどちらが作成をしても構いません。しかし基本的には委託者が作成するケースがほとんどです。契約書が提示された場合には、自分にとって不利な内容になっていないかを確認したうえで承認します。

契約書を作成するときは、あらかじめ双方で擦り合わせを行ったうえで、下記の項目を明記しましょう。

  • 業務内容
  • 契約期間・納品期日
  • 成果物の権利の帰属
  • 機密保持・禁止事項
  • 報酬・支払期間・支払方法
  • 損害賠償

業務内容については委託者も業務遂行に介入できる仕掛けをつくっておくと、臨機応変な対応ができて便利です。また報酬は内訳まで具体的に明記します。

法律を理解したうえで副業を始めよう

以上、業務委託契約に関わる法律と、契約書の作成方法を紹介しました。

雇用契約が適用されない業務委託では、自分の身を自分で守るために詳細な契約内容の取り決めが欠かせません。最初は小難しく感じられるかもしれませんが、契約書の内容にも基本的な型があり、慣れてしまえばスムーズにチェック・作成ができるようになります。

ぜひ法律をしっかりと理解して、安心・安全に副業をはじめてくださいね。


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