転職を考えたとき、人材紹介会社…
転職経験がない・浅い50代は早期退職の甘い罠に要注意!「次はあるのか!?」まさかの事態に備えよう
新型コロナウイルスの影響で2021年の上場企業の早期・希望退職は80社、1万5296人に及び、2020年に引き続き高水準となりました。
会社の現状を危ぶみ、上乗せの退職金を目当てに退職を希望する人も少なくありません。これ自体は不安定な現代社会において、合理的な選択肢となる可能性が高いでしょう。終身雇用はすでに過去の遺物となりかけていますから。
しかし退職によりキャリアプランが狂ってしまうケースも。とくに定年まで同じ会社に勤めると考えていた人は、セカンドキャリアに向けた準備を何もしていない場合がほとんどです。
つまり現在「会社に大きな不満がない」「転職なんて考えたことがない」という会社員ほど、近い将来、予期せぬ変化に対応できなくなるリスクが高いといえます。
そこで今回は40代50代ではじめて転職する人が直面する再就職先の難しさをふまえ、転職成功のためのポイントを解説。順風満帆な中年社員の方は、本記事を参考にあり得る未来に備えましょう。
再就職先探しの難しさ
転職斡旋会社のアンケート調査によると、転職先が3ヵ月以上決まらない人の割合は20代の1割、30代の2割に対して、40代では4割、50代にいたっては7割にも達します。
40代50代の転職は若い世代と比べて難航するケースが少なくありません。
理由の一つとしてまず挙げられるのが求人数の少なさです。
厚生労働省が2020年に発表した調査を見ると、有効求人倍率(求職者1人当たりの求人数)は40代後半で1.01倍、50代で1.15倍と、20代前半の1.92倍と比べかなりの低水準であることがわかります。ただでさえ少ない求人から条件に一致する企業を探すとなると、情報収集だけでも時間がかかってしまうでしょう。
またたとえ内定が出たとしても、「やりたい仕事ではない」「年収が下がってしまう」「社風が合わなそう」「重責な役割が重荷」「もっと良い会社があると思う」といった理由から、辞退をしてしまう人が多いようです。
完璧な転職先は存在しないと割り切る
40代50代での転職を成功させるために、まず念頭に置きたいのは「完璧な就職先は存在しない」ということ。
そもそもの選択肢が少ないなかで100点満点の企業を探そうとしても、再就職先はいつまでも見つかりません。
「収入」「職場環境」「やりがい」など、セカンドキャリアで優先するものを決めておきましょう。例えば過去の経験から、充実感を得られた瞬間を振り返ってみると、「昇給・昇格が嬉しかった」「家族と過ごす時間が大切」など重視すべきポイントが見えてきます。
転職活動では受け身になりすぎないことも重要です。
新卒の就職活動と異なり、これまでに培ってきたものがあるミドル世代は、企業にすべてを合わせる必要はありません。ときにはパフォーマンスを最大限に発揮できる働き方を自ら提案するなど、企業との対話を心がける必要があります。
加えて重要なのが「次が最後」とは考えすぎないようにすること。
人生100年時代では転職後に再び転職をしたり、起業をしたりと、「次の次のキャリア」があるかもしれません。長期的な視点から「何を獲得できるか」を考えて転職先を選びましょう。
まだまだ先は長い人生。転職の際には過去だけでなく「未来」を見据えるべきです。
まさかの事態に今から備える
あらゆる業界が外的・内的な要因で激しく変化している現代。「転職なんて考えたことがない」という人ほど、「明日はわが身かもしれない」と考えて、まさかの事態に備える必要があります。
もしも転職が必要になったときに再就職先には何を求めるか、どうすれば自分の強みをアピールできるか。改めて考える時間を設けてみましょう。
また転職先探しのシミュレーションをしながら、実際にどのような求人があるのか調べてみるのも一案です。
視野を広げる中でもしかしたら「いまの会社は実は自分に向いていないのではないか」と思い当たるタイミングがあるかもしれません。それでなくても定年後のキャリアを見据えるいい機会になるはず。
40代50代はまだまだ折り返し地点。あらゆる事態を想定して、人生100年時代を乗り越えましょう。