2022
03/21

他人事じゃない! 過労死する前にブラック企業を脱出せよ!


ブラック企業

人生100年時代。ミドル・シニア層の会社員が長く働き続けるうえで、無視して通れないのが健康の問題。

健康維持のためには、食事・運動といった生活習慣もさることながら、それ以上に「労働時間」「労働環境」などの働き方を見直していくことが重要です。40代・50代は過労死の割合がとくに多く、深刻な社会問題となっています。

そこで今回は日本での過労死の現状と、過労死との関わりが根深いブラック企業から脱出する方法について解説していきます。

日本での過労死の現状

「過労死」とは長時間労働・残業など「働きすぎ」による心身の調子悪化が原因で、従業員が亡くなってしまうことです。

具体的には直近1ヵ月の残業が100時間以上、または直近2〜6ヵ月の残業が平均80時間以上が「過労死ライン」とみなされ、これまで労災認定の基準とされていました。

さらに2021年9月には国がこの労災認定基準を改正。心身への負担、休日の連続勤務、深夜勤務などの総合的な状況を加味したうえで、たとえ過労死ラインを超えていなくても労災が認定されるようになりました。

しかし国際労働機関の発表では「週労働時間55時間以上」で、うつ病などの精神面の不調や脳血管疾患・心臓疾患のリスクが高まることが指摘されており、現在の認定基準でもまだまだ十分とは言えないのが現状です。

実際に現在でも「会社や同僚に迷惑をかけられない」「転職先がみつかるか不安」といった理由から無理をしてしまったり、ブラック企業の取り締まりが不十分だったりと、過酷な労働環境にいる人は少なくありません。

2021年の「過労死等の労災補償の請求件数」も、脳・心臓疾患が784件、精神障害が2,051件と未だに高水準であるといえます。

ブラック企業から脱出するために

過労死のリスクから自分を守るために、労働者の心身を危険にさらすブラック企業に勤めている場合には、一刻もはやく脱出することが重要です。

ブラック企業の具体的な特徴は下記の通り。

  • 極端な長時間労働やノルマを課す
  • 残業代が支払われない
  • 有給休暇を取得できない
  • パワハラが見過ごされている

例えば残業が月80時間を超えていなくても、日常的にパワハラを受けるようなストレスフルな職場環境が放置されているのであれば精神疾患につながるリスクもあり、ブラック企業に該当するといえます。

「今の会社、ブラックかも」と思ったら我慢を続けるのはやめて転職をしましょう。とくにミドル・シニア層は今まで大丈夫でも、疲労の蓄積や体力の衰えなどにより、突発的に働けなくなる可能性もゼロではありません。

退職の際には、まず就業規則を確認。申し出から退職までに必要な勤務期間が記載されているため、この期間内に引き継ぎ用の資料作成や転職の準備を進めます。

とはいえブラック企業には、退職の意向を伝えてもなかなか辞めさせてくれない悪質な会社も多いため注意が必要です。

しつこく引き止められる場合には、申し出の日付が分かる退職届を提出する、それでも受け取ってもらえないときは内容証明郵便で送付するといった手段をとりましょう。労働組合・弁護士に依頼をするのも一つです。

すぐに転職先が見つからない場合には、失業給付金を受給することもできます。手続きに必要な離職票がなかなか発行されないときは、ハローワークに相談しましょう。

ホワイト企業でセカンドキャリアを謳歌しよう

以上、今回は過労死の現状と、ブラック企業から脱出する方法について解説をしてきました。

しかしたとえ転職に成功したとしても、再びブラック企業に捕まってしまっては本末転倒です。そのため転職の際には、転職先がブラック企業ではないか、ネットを使って入念なリサーチが必要になります。

  • 離職率が高い
  • 残業代がみなし残業代・裁量労働制・固定残業代になっている
  • 求人情報が詳細に記載されていない
  • 社員・元社員からのネガティブな口コミが多い

これらの特徴に当てはまると、ブラック企業である可能性が高いので注意が必要です。

また業界に精通した転職エージェントに登録するのも一案。実際の勤務状況・内部情報をもとに、ホワイト企業を紹介してもらうこともできるため、仕事探しにかかる手間と時間を大幅に削減できます。

長く健康に働き続けるために、セカンドキャリアを謳歌するために、ブラック企業に勤めている人は今すぐにでも転職に向けて動きだしましょう。


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